■事業者の事情
今度は事業者の側に立って考えると、3列シート車は乗客サービスという点では優位に立てるが、いかんせん乗車できる人数が鉄道や航空機と比較して少なく、それを3列のまま走らせる4列と比較して単純に2割から3割減となり運賃収入が減る。
それでも昔はすぐにダイヤを改正して定期便そのものを増便したり、柔軟に続行便を出したりして乗客満足度を維持することができたので、城郭が減らなければトータルで収益を上げることは可能で競争力があった。
しかし昨今の燃料高騰や深刻な運転士不足で増便や続行便の運行が不可能になり、そのため全体の収益性も悪化したことから、4列シート車にせざるを得ない状況に陥った。そんな事情の中で事業者は4列シート車でいかに快適に過ごしてもらうかをシートそのものや配列を考えて努力した。
例えば補助席を撤去して確保したわずかな幅を4列のシートに割り当て、少しでも幅広なシートを開発したり、同社のように完全オリジナルのシートを独自設計したりと、さまざまな試みが行われている。
今回登場した同社の「プライム」が4列シート車の標準的な仕様になるのかどうかは今後の乗客動向によるだろう。手始めに東京-大阪と東京-名古屋の運用に入るようだが、順次拡大していく計画のようなので、同社の高速バスを利用する際にはシートで予約便を選択するのもアリなのかもしれない。
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