■エルガEV
開場時間となり、まず最初に訪れたのはいすゞブースで、UDトラックスとの共同出展となっていた。お目当ては今回唯一の展示となっているバス車両だ。
それは世界初出展となった「ERGA EV」である。いすゞが初めて開発したバッテリーEV(BEV)フルフラット路線バスで、フロアのフルフラット化を実現している。前面からのデザインを見ていると、今からでもすぐに街中を走行していてもおかしくないほどである。
室内も自由に見ることができるということで、早速入ってみた。まず目に飛び込んでくるのはバス後方の景色だ。従来の路線バスにあるような段差がなく、まるで路面電車の車内を移動するかのように最後部の座席まで行くことができる。
もちろんこれはBEVになったからであり、車内空間の自由度が高まったという、いすゞからの公式発表の通りである。筆者もこれまで路線バスはたくさん乗車しているが、前方からそのまま歩いていけるこの感覚は違和感さえ感じた。
荷物を持っていたり高齢者などバス車内で段差を上がったり下りたりするのが不安な人にはとても魅力的にみえるのではないだろうか。公式発表によると発売時期は2024年ということなので、遠くない将来に走っている光景を見るもしれない。
続いてBYDブースである。BYDといえば、ここ数年で多く見かけるようになった電気バスメーカーだ。ただし、小型電気バスの展示や紹介はなく、新たに日本市場へ参入してきた乗用車の展示がメインだったようだ。聞きなれないメーカー名ということや、出展自体が初めてなので多くの来場者が車を見に集まっていたようだ。
■帰りもハイデッカー!一度乗ると病みつきに?
そして復路も行きと同じく東京駅~東京港フェリーターミナル線を利用した。往路の便に乗車したのは筆者を含めて5人と、ちょっと少ない印象を受けたが帰りは乗り場に長い列ができていて、バスはほぼ満席で出発した。
途中国際展示場駅に立ち寄り、東京駅までは約30分だった。ちなみにJRバスの東京駅における出発は八重洲口の高速バス乗り場で、到着は日本橋口なので注意したい。時刻表にも明記されているが、特に着地が八重洲ではないことで戸惑うことのないようにしたい。
今回はJAPAN MOBILITY SHOW 2023についてお届けした。モーターショーといえばコンセプトカーや市販予定車、最新の車の展示がメインであるので、商用車の展示はなかなか見ることはできないが、普段の生活やインフラを支えるバスやトラックのような車両の最新技術にもぜひ注目していただきたい。
なおJAPAN MOBILITY SHOWはこの後に名古屋、大阪、福岡と巡回していくが、例年通りだと商用車の展示は東京のみなので、展示されるかどうかは定かではないものの、広い分野で見たり体験したりできるようなので「最新の移動技術」に注目してみてはいかがだろうか。
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