昔は乗り物酔いといえばバスはその代表格だった。要因はさまざまであるが、現在のバスは以前と比較して酔いにくい。それでもヒト固有の原因は変わっていないので、その傾向と対策をまとめてみた。バスに限らず乗り物に弱いという方は参考にしていただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】バス酔いにはジンジャーエール?薬剤師に酔い止め薬について聞いてみた!(10枚)画像ギャラリー乗り物酔いは病気?
一般的に乗り物酔いと呼ばれるものは動揺病と言い、一般的な病気とは違うのかもしれないが症状があるという意味で、腹部の不快感を伴う悪心や嘔吐・めまい・蒼白・発汗や関連症状を含む症候群の名称になっている。
ヒトにはさまざまなセンサーが備わっており、センサーから入った情報を脳で処理してそれらの情報の整合性を取っている。しかし次々に変化する入力された情報が脳で処理する際に矛盾がおこるとエラーを発して乗り物酔いになる。
揺れると目から入る情報が目まぐるしく変わり、横揺れは目と体が感じる情報の遅れ、縦揺れは重力が変化したように感じる。
それらが矛盾しないようにすれば良いので、揺れの度合いを考慮してまずは座席選びが重要になる。もちろん乗り物に弱い方は乗車前に不安を感じることから、そういった心理的要因もあるのは事実だ。
座席選びとジンジャーエール?
比較的揺れが少ないのは操舵輪(前輪)の上だが、ここはロードノイズをもっとも拾う場所でもあるためにその影響がある。では前輪と後輪の中間ではどうだろうか。ここでは横揺れも縦揺れも比較的小さいが、車両の動きと視覚のずれがあり前方座席よりも感覚の矛盾がおこりやすい。
よって前方を見渡せ車両の動きと視覚情報が矛盾しない範囲、なるべく前輪に近くあまり変化しない、遠くの風景を眺めることが可能な窓側ということになろうか。
座席以外の具体的な対策としては食べ過ぎず、飲み過ぎず、長距離で喫食が可能であればクラッカーとジンジャーエールが医学的根拠はなく、あくまでも可能性の域を出ないが良いとされる。
ショウガや炭酸飲料、中でもジンジャーエールはすっきりするという意味ではよいのかもしれない。眠ってしまえば乗り物酔いはないのだが、旅行中だと楽しさが半減するので時と場合によるだろう。