京王線の特急電車内で無差別傷害事件が発生し、模倣事件が九州新幹線でも発生し、以前から公共交通機関の防犯対策が課題になっている。最近ではいたるところに防犯カメラが設置され、駅はもちろんのこと電車内でもバス車内でも防犯カメラが設置される例が増えてきている。
現状では根本的な防犯対策はなく「自己防衛」するしかなさそうだが、それでも知っているとイメージトレーニングができるので、いざというときに役に立つかもしれない。そんなバス車内のあれこれを集めてみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】覚えておきたいバスでの脱出方法!暴漢対策に非常口はチェック(14枚)画像ギャラリー正規のドアは非常コックを操作!
路線バスの車内は鉄道と比較すると狭いので同様の事件が発生した際には逃げ場はない。もちろん大ターミナルでもない限りホームドアはないので運転士がバスを停めてドアを開放すればそこから脱出はできる。
運転士は無線等で営業所に報告し車外に緊急事態発生を知らせる行動をとり乗客を誘導することになっているが、ワンマンですべてをこなす運転士にそこまでできるかどうかは分からない。そこでせめて非常口や正規ドアのコックの位置を知っておけば航空機の非常口座席の乗客同様に脱出の手助けはできるかもしれないので、これら概要を紹介する。
路線バスであれば左側に2か所または3か所、高速車や観光バス等のトップドア車であれば前方1か所のドアであることが多いので、そこから脱出できる。何らかの事情で運転士が自動ドアを開扉できない場合はドアコックがあるので操作して手動で扉を開ける。
バスのドアコックはドアの近くに赤い枠で囲ってあるフタを開け、ハンドルがあるので引けばドアは手で開く。「非常コック」と明記してある車両もある。
非常口は操作方法を熟読!ない場合はハンマーの位置を確認!
この他に非常口もある。たいていは右側後方についているケースが多いが、中央部だったりスーパーハイデッカーでは最後尾というケースもある。航空機の安全ビデオではないが、日ごろから非常口を確認しておくことは大切なことだ。
またハイデッカーの非常口は地上まで結構な高さがあるので、はしごが付いている場合もある。いずれにせよ非常口の開け方は当該座席の赤いカバーに書いてあるので普段からよく読んでおきたい。また非常口はたいていが右側なので、脱出する際には他の交通に十分注意する必要があるのは言うまでもない。
また導入が多くなっている連節車だが、例えば輸入車のメルセデスベンツ・シターロGには非常口が設置されていない。その代わりにサッシ部分に赤いハンマーが備えられているので、非常時には躊躇せず窓ガラスを破り脱出する。