2022年夏~秋にかけて、3年ぶりにコロナ禍にともなう行動制限が全くない行楽シーズンを迎えた。10月から11月にかけての週末や連休の様子を見ていると、イベントやお祭りも3年ぶりに再開し、人出も明らかに戻ってきた印象を受ける。
このままコロナ前に戻っていくのか、感染者数自体はそれなりに多い状況が続いているし、再拡大の懸念もある中で、まだ先の見えない部分はあるが、バス事業をはじめとする交通事業はもちろん、われわれは生きていかなければならない。そんな状況下での動向を見て行きたい。
(記事の内容は、2022年11月現在のものです)
文・写真/鈴木文彦
※2022年11月発売《バスマガジンvol.116》『鈴木文彦が斬る! バスのいま』より
■大都市から観光地に向けた高速バス
11月1日、横浜を起点とする高速乗合バスの新路線が誕生した。東急バス、相鉄バス、上田バスの3社共同運行による横浜駅西口~軽井沢・草津温泉間である。
この路線は、横浜と高原リゾート地軽井沢、人気温泉ランキングで常に上位にランクインしている日本三名泉のひとつである草津温泉を直結する路線で、3社が1往復ずつ、1日3往復が設定され、圏央道~関越道~上信越道の新ルートにより、軽井沢まで最短3時間35分、草津温泉まで最短5時間10分で結ぶ。
東急バスと上田バスにとってはこれまで渋谷マークシティからの軽井沢・草津温泉間が運行されており(東急トランセ・京王バス・上田バスの共同)、その拡大版といったところだが、大きな都市圏を構成し、その中心としてJR線と4民鉄、市営地下鉄が集結する交通拠点である横浜駅を起点とすることで、新たな需要開拓を図った。
3往復中1往復が東急田園都市線たまプラーザ駅を、別の1往復が新横浜駅を経由する。たまプラーザ駅は渋谷からの路線のうち1往復が起終点としており、今回いわば増便したことになるが、圏央道経由により所要時間短縮が図られた。
新横浜駅は新幹線停車駅であり、2023年3月予定の相鉄線・東急線の相互直通運転により、さらなる拠点化が見込まれており、新路線がアクセスしたのを機に、高速バスにとっても拠点となる可能性がある。
ダイヤは3便とも朝横浜を1時間ごとに出て、午後草津温泉を発車するパターンで、明らかに大都市側から観光地へのアクセスを意識した設定となっている。
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