■「県単位」需要に阻まれた?
こんな路線も廃止になった。両備バス、井笠鉄道(現在は倒産)、中国バス3社共同運行の岡山空港~福山間は、鉄道車両デザイナーの水戸岡氏が岡山出身ということから、バスのデザインを依頼、3社でデザインを統一し、路線名も「ももっちライナー」と命名。満を持しての運行だったが、短期間で運行を終えた。
広島県福山市は広島県の東端にあり、岡山空港から近いということからの運行だったが、わざわざ県境を越えてまで隣県の空港を利用するという需要が少なかったようである。
似たような例で、筆者自身も復活してほしいと思っているのが佐賀空港と長崎を結んでいたみなと観光バスだ。佐賀空港に乗り入れている中国からのLCCに合わせての運行だった。
海外から佐賀空港に降り立つ乗客の多くが福岡や長崎を目的地としているための運行だった。現在でも西日本鉄道が佐賀空港~福岡間を運行しているが、長崎行きはなくなってしまった。
しかし、国内線で考えても、成田~佐賀間にはLCCが飛ぶが、東京エリアから長崎へはLCCがない。そこで佐賀空港と長崎を結ぶバスを運行するというのは、需要予測は間違っていないと思うのだが、やはり「県単位」に阻まれてしまうのだろうか?