【特集・平成初期のバス】多くの車両バリエーションを擁する秋田県最大級のバス事業者 羽後交通:編

平成年間に4分の1の人口が減少するなど極めて厳しい環境となった

 中古バスの導入も国内4メーカーを採用したことから一層車両陣容が豊かになっていった。その後は出元も関西に広がり、特に大型一般路線車は次第に中古バスで占められるようになっていった。

 かつて貸切格下げのトップドア車などで運用されていた急行バス系統にも、中古2ドア車が投入されるケースも見られたが、老朽化した標準床・非冷房車が淘汰され、低床化・冷房化が格段に進み、サービス改善にも寄与したと言えよう。

■日産ディーゼルN-U36K<br>東京都交通局から転入した予室式エンジン車。公営事業者が好んで導入した予室式エンジンのモルで、羽後交通にも転入していた
■日産ディーゼルN-U36K
東京都交通局から転入した予室式エンジン車。公営事業者が好んで導入した予室式エンジンのモルで、羽後交通にも転入していた

 その後の平成年間において、羽後交通もやはり地方営業所の統合や路線廃止による合理化が進められた。花形だった東京・横浜線高速バスは首都圏側事業者の撤退・変更なども行われたが現在も2路線が健在である。

 ただし車両は外国製スーパーハイデッカ車から、国産ハイデッカ車に置き換えられた。一般路線はそれでもなお多くの地方路線が維持されており、中古車導入によるコストダウン策も一定の効果を上げたはずだ。

 秋田県は人口減少に歯止めがかからず、羽後交通の事業エリアでは最大の都市である湯沢市は1990(平成2)年から2015(平成27)年までの平成年間に、実に4分の1の人口が減少するなど、極めて厳しい環境にある。

 この傾向が大きく改善することは期待できないものの、豪雪地帯の欠かせない市民の足であり、走り続けてくれることを期待したい。

【画像ギャラリー】“平成の大変革”を迎えた頃の羽後交通のバスたち

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