通過する特急バス
黒崎インターを通るバスは、「はかた号」であれ「路線バス」であれ多くが停車するが、西鉄で1路線だけ黒崎インターを出ない(停車しない)短距離路線が存在する。それは小倉と直方を結ぶ特急バスだ。
比較的短距離で黒崎インターを出ると、それだけ時間がかかるので伝統的に停車しない。また高速自動車国道は走らないので種別は高速ではなく特急である。当地から直方方面へは、西鉄黒崎バスセンターから国道のみを走る急行バスが直方まで行き、国道211号線の直方方面行きバス停に停車する。
直方へは福岡から高速、小倉からは特急、黒崎からは急行バスと西鉄グループの筑豊電鉄でJR筑豊本線に対抗する。これら直方行きのバスは西鉄バス筑豊が運行している。
とんこつラーメンが300円!
黒崎インター引野口の高速バス停で下車して左側にラーメン屋がある。福岡県なのでとんこつラーメンだが、ここは1杯300円で昔から人気がある。店名はズバリ「バス停らーめん」だ。多少の変動はあるものの、少なくとも30年以上この価格を維持している。
30年前に福岡でラーメンを食べると350円前後、チャーハン付きでも500円くらいだったことを考えると今でも300円はタイムスリップ級だ。ちなみに立ち食いなので、サクッと食べてバスに乗るイメージだろうか。
地元の隠れた名店はバス停裏?
このあたりの道路は新規路線が作られ、国道が指定替えされるなどよく発達しているが、商業施設は少なく現在ではバス停から徒歩圏内にコンビニはない。次に取り上げるのは、国道211号線上の直方方面行きバス停の裏にある「夢工房トマト」だ。
お好み焼き店だが、女将が料理が好きで調理師専門学校で学んだ腕前なので、メニューで出したもの(例えばカレー)にすぐにリピーターが付き、本業のお好み焼きと同等の地位を獲得するお店だ。
お好み焼きそのものは関西風のものだが、個別の鉄板で焼いてそのまま出すので少し時間がかかる。記者が注文したのは「赤モツ玉」に「そば」ではなく「うどん」を入れる北九州風。もちろんそばのトッピングもできるが、焼うどんが名物の北九州ではうどんもおススメだ。
意外と軽いチーズ入りの「トマト焼」
最近の新メニューとしてトマト焼がある。トマトとチーズをはさみ、豚肉をのせて焼いたお好み焼きだ。聞いただけでは女性ウケはしそうだが重そうな感じがする。
ちょうど記者と同年代の男性常連客が食べていたので聞いてみると、「最近はあまり重いのは気が引けるのでコレ(トマト焼)ばかりですよ」と、意外にも軽くしつこくないことを教えてくれた。
そしてこれから1年中取り扱うという「壺やきいも」は、紅はるかを使用した蜜やきいもだ。食べてみるとサツマイモのクリーム、あるいは芋餡という感じだ。蜜が皮の外までにじみ出が外はしっかり、中はトロっとした焼き芋だった。
ところで夏はどうするのかというと、焼いた芋を冷やして「アイス」で出すとのこと。これならば年中テイクアウトしてバス車内でもいただけそうだ。また250円なのは現状の仕入れ値が安いこともあるそうだが、同じものを東京で購入する3分の1の値段だ。