惜別「S-1」系統! が西工まつりだった件

ほぼ満席で発車!

 S-1系統は座席をほぼ満席にして東京駅丸の内北口を発車した。乗車している人は思い思いにスマホで撮影したり、自動放送を録音したりしていた。この系統は観光需要を取り込むために設定された路線なので、日本語の他に英語、中国語、韓国語での案内放送が流れる。

 特に表示はないが主要停留所しか停車しないために、沿線住民は意識せず急行バスとして利用している。日本橋三越、神田駅前に停車して須田町を出ると秋葉原界隈だ。須田町は他の路線にもあるがバス停そのものはS-1専用なので廃止後は撤去される模様。

上野松坂屋前からは生活路線!

 上野松坂屋前でいくぶんの降車があったものの、毎時1-2本は運転される区間のために、買い物客等の乗車が多く立席が出る。上野公園山下に停車し、上野駅前には停車せず菊屋橋、浅草一丁目と並行路線の停留所をバシバシ飛ばしていく。

 浅草一丁目付近で上野松坂屋前止まりのS-1系統とすれ違ったのだが、このバスがまたまた西工車(P519)で、もはや西工まつりというよりも南千住営業所のサービスなのではないだろうかと思わせる運用で、心中穏やかではなかった。

 浅草雷門でも乗客の入れ替わりがあり、リバーピア吾妻橋前、とうきょうスカイツリー駅入口、押上と鉄道駅や観光地に接続し、終点の錦糸町駅前に到着した。

電車なら8分157円!

 東京駅から錦糸町駅まではJR総武快速線に乗車すれば3駅で8分、IC乗車券だと157円で到着する。そのため通常は通しで乗車する人はほとんどいないのだろうが、この日は多くのファンと思しき人の多くが約50分かかるS-1系統に通しで乗車していた。

 下車後も名残推しそうに写真を撮影していたが、すぐに回送でロータリー内の待機所に回ることは分かっていたので、そちらから撮影もした。運転士が気を利かせてくれたのかどうかは知る由もないが、前面LED表示器は「S-1 錦糸町駅前」のまま停車してくれていた。

惜別!S-1系統

 本来の目的としての下町観光需要を取り込むことが難しくなった現状では仕方がないとはいえ、沿線の鉄道がない地域の住民にとっては貴重な急行路線だっただろうS-1系統が配されるのは惜しい限りだ。

 東京駅へもっと本数が多ければ、新幹線から近い八重洲発着ならば、歩行者天国による迂回運転があったものの秋葉原や末広町に停車していれば、と思うことはいろいろあるが、いつの日か復活してまた元気な急行運転を見せてほしいと願いつつ錦糸町をあとにした。

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