国鉄・JRの鉄道線から転換されたバス路線「代替バス」が、全国で現在も活躍中だ。鉄道時代からどう変わり、最近はどうなっているのか……2021年にできた新しい代替バス・旧日高本線の実像に迫ってみる!!
文・写真:中山修一
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■代行バスから代替バスへ
北海道の苫小牧〜様似間146.5kmを結んだJR日高本線。2015年1月に起きた自然災害によって、一部区間が不通となったのをきっかけに、鉄道が通れなくなった箇所を代行バスで繋ぐようになった。
当初は鉄道線の復旧を見込んでいたものの、度重なる自然の脅威にさらされ線路への被害が拡大。莫大な修繕費用に対して収益面での回収が期待できないこともあり、2016年12月に復旧が断念された。
最終的に不通となったのは鵡川〜様似間の116km。代行バスが担ったのはこの区間だ。復旧断念後、対象区間の廃止を前提とした沿線自治体との協議が進められていた関係で、代行バスは鉄道扱いのまま2021年3月まで走り続けた。
2021年4月1日に日高本線の不通区間が廃止となり、鉄道の部分は苫小牧〜鵡川間30.5kmが残った。鵡川から先の代行バスも同時に運行終了となり、代替バス(鉄道転換バス)が走るようになった。
なお日高本線が通っていた区間には、都市間高速バスや特急バスなども併せて運行しているが、話が超ややこしくなるので、ここでは代替バスの枠から外してある。
■「緑」と「青」の二本立て
2021年4月1日からスタートした日高線廃止区間の代替バスは、過去に運行していた列車代行バスと同じく、鵡川〜静内、静内〜様似間の2パートに分かれ、静内でバスの乗り換えが発生する。
鵡川〜静内間を担当するのは白+緑色の車体が目印の道南バス、静内〜様似間は代行バス時代から委託を受けていた、白+青色のJRカラーでおなじみのジェイアール北海道バスが運行している。
今回注目するのは「緑」の道南バス約51kmのパート(日高沿岸線)だ。このバスは鉄道線廃止後に新設された、というわけではく、苫小牧駅前〜静内を結んでいた既存の路線を再編したものと言える。
鉄道があった時代、静内まで行くバスは1日3本。発着時刻を見ると競合関係には至らず、どちらかと言えば両者を補完し合うようなダイヤが組まれていた。
2023年12月現在、運行区間は以前と変わらず苫小牧駅前〜静内で、鉄道がなくなった分本数が若干増え、静内行きは平日6本・土日祝5本、苫小牧行きが平日5本・土日祝4本の設定だ。このバス路線に系統番号はないらしい。
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