■鉄道区間を忠実に再現すると!?
苫小牧→様似へ向かおうとした場合、現在の「緑」の代替バスは苫小牧始発のため、鵡川へバスで直通しつつ静内までダイレクトに行けてしまう。
とはいえ鉄道区間を忠実に再現すべく、代替バスの部分だけ良いとこ取りしようとなれば、苫小牧〜鵡川間はあくまで従来の列車移動が重要なポジションを占める。
朝〜下校が始まる時間帯までの便では、鵡川駅での列車からバスへの乗り継ぎは大して考慮されておらず、大体1時間ほど開く。
そのタイミングで来た際はひとつ「観光ならちょっと寄って行ってね」のようなメッセージが込められている、とでも受け取って、待ち時間を周辺散策に充てるのも楽しい。
鵡川駅の近くには、道の駅やお土産屋さん、飲食店など立ち寄りスポットがいくつかある。黄色いお湯が湧き出る温泉施設も道の駅に併設していて、時間を潰すのにそこまで苦労しないハズ。
■高い空の下を進む
「緑」の代替バスは、日高地方に長〜く延びる国道235号線がメインルートで、ほぼ道なりに進む。
日高地方は競走馬の生産地で知られ、バスが通る周辺にも美麗な牧草地が広がる。高層建築に阻まれない空の高さと相まって、開放感あふれる風景だ。
鵡川駅前から30分ほど走った日高町を出る頃になると、道が海沿いに近づき、オーシャンビューの要素が強まってくる。
ほかにも国道235号線は日高本線の線路に隣接した区間が多く、まだレールが敷かれたままの線路跡が車窓から頻繁に見えたりと、開放的ながらも景色の見どころは実に豊か。
鵡川駅前を出発して約1時間半。牧草地や海沿いを経て市街地が迫り、日高本線の中間地点だった旧・静内駅前のバスロータリーに到着する。
鵡川〜静内の停留所の数は54箇所。経路や走行距離はそれほど鉄道と差がないものの、同じ区間に11駅あった鉄道時代の5倍近くに停車ポイントが増えている。
苫小牧〜鵡川のJR運賃が750円、鵡川〜静内のバス運賃は1,040円。代替バスに鉄道との直接の関係はなく、列車/バス個別に運賃を支払うのが基本になる。
それでも鉄道(代行バス)時代の同じ区間の切符を買うと1,890円だったので、何気に今のほうが100円安くなった。
ちなみに、2023年11月現在に代替バスに乗車した際の利用状況は、軽く様子を伺ったところ短距離の区間利用がほとんどで、土曜日のお昼過ぎだったのもあり、鵡川〜静内間でトータル6、7人といったところだった。
日高本線の終点だった様似まで残りおよそ60km。静内より先は「青」の代替バスにバトンが手渡される。その近況はまた次回。
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