マイカーなしでカーフェリーに乗る!! でも港へ行くバスは……マジか? 〜仙台編〜

マイカーなしでカーフェリーに乗る!! でも港へ行くバスは……マジか? 〜仙台編〜

 “カー”フェリーの名は付けど、何もクルマ必須というわけではなく徒歩でも乗船できる。そこで気になってくるのが港へのアクセス手段であるが、宮城県の仙台港フェリーターミナルの場合はどうなっているだろうか。

文・写真:中山修一
(現地取材時の詳細写真ギャラリーを含む写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■日本最長フェリーの中継地点・仙台

仙台港に停泊中の太平洋フェリー「きたかみ」
仙台港に停泊中の太平洋フェリー「きたかみ」

 2024年現在、カーフェリーの中で日本最長距離を航行するものは、愛知県の名古屋と北海道の苫小牧を結ぶ太平洋フェリーだ。距離およそ1,330km・約40時間の船旅が楽しめる。

 このカーフェリーは、名古屋港から約770km、苫小牧港から約560km地点にある、宮城県の仙台港も発着ポイントになっている。名古屋〜苫小牧便は必ず寄港するほか、苫小牧〜仙台止まりの便も設定されている。

■最寄りは徒歩で!?

 全長190mクラスの大型船が日々出入りする仙台港フェリーターミナルは、その名の通り仙台市が所在地。ただし、隣の多賀城市にある、JR仙石線の多賀城駅が鉄道の最寄駅になり、約2.4km離れている。

 歩けない距離でもないが、スーツケース等を引いていると多少ハードルが上がる。そうなると公共交通機関に白羽の矢を立てることになるが、多賀城駅発着の港へ行く路線バスは残念ながら今は出ていない。

 路線が皆無というわけではなく、ミヤコーバスの荒井多賀城線という、JR多賀城駅〜フェリーターミナル〜地下鉄荒井駅を結ぶ路線自体は存在する。

 しかし荒井多賀城線は、2018年に平日の便が廃止され土日祝のみの運行となり、その後2020年にコロナ関係の影響により全便が運休中となっている。

■港を繋ぐ唯一の路線バス

 では仙台港フェリーターミナルへは、歩きかタクシーを使わないとアクセス不能かと思いきや、そこはちゃんと港発着のバスがある。

 宮城交通が運行する「仙台港線」がそれで、この路線を使うと仙台駅前〜仙台港フェリーターミナル間を直通で行き来できる。現在のところ、仙台港線がタクシーを除く唯一の港への公共交通手段だ。

 仙台港行き・駅行きそれぞれ1日4本ずつと便数はかなり少ないが、港行きはフェリー出港大体1時間前着、駅行きはフェリー到着約20分後発と、カーフェリーの発着時刻に合わせてダイヤが組まれている。

次ページは : ■ややオフセットしたバス乗り場

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。