■またまた運賃無料!
20分ほど乗車すると、終点の名鉄上野間駅に到着した。お昼頃乗車した知多武豊駅は名鉄河和線だが、上野間駅は知多新線の駅で、終点は内海駅だ。そして知多半島を巡って7つ目の町である美浜町までやってきた。知多半島の南部にあり、東は三河湾、西は伊勢湾に面している。海水浴場や観光施設が豊富だ。しかし見渡す限り、グルーン以外のバス停が見当たらない。乗り継ぎにあまり時間がないので、周りを探してみると駅施設の反対側の道路上にようやくバス停を見つけた。
続けてやってきたワゴン車が次に乗車するバスで、美浜町の巡回ミニバス「自然号」である。車体に書かれた「美浜町行ってきバス 自然号」がバスの目印だ。こちらも運賃は無料で、乗車時に降車するバス停を運転手に告げるタイプだ。乗客2人を乗せて出発した。
途中もう1人は下車したので、しばらくは貸切状態だったが、いわゆるバスの車内とは異なる乗用車に乗っている感覚だ。10分強で役場バス停まで来ると、他のルートのバスと連絡を取った後に出発し、目的地である知多厚生病院バス停で下車した。
■かの有名な羽豆岬はここなれや?
ここまで来ると長かったバスの乗り継ぎも最後だ。白いボディのバスでやってきたのは、南知多町のコミュニティバス「海っ子バス」である。知多半島の先端まで行けるバスだ。南知多町は知多半島の最南端にあり、マリンリゾート・海水浴場や県下一の水揚げ量を誇る豊浜漁港など観光資源が多く、船で渡る篠島・日間賀島を含めて年間を通して多くの観光客が訪れる。
そんな町を海岸線に沿って1周するルートになっているのが「海っ子バス」である。乗車した知多厚生病院から半島南端の師崎港までは40分くらいだ。運賃は1乗車400円とこれまで乗車してきたバスと比べるとずいぶん高く感じるが、海っ子バスには1日券のデジタルチケットが用意されている。アプリをインストールする必要があるが1日券は600円だ。
1乗車400円なので、2回乗車すれば元が取れるというありがたい料金設定だ。他にも回数券や定期券、クーポン付き1日乗車券などもスマホで購入できる。また各座席にUSBポートが設置されていて長時間乗車でも便利な仕様になっている。
バスは師崎港に到着した。時刻は14時25分で、刈谷駅を出発してから5時間半ほどかかって知多半島の先までやってくることができた。朝方は雨が残っていた天気もここに着くころには青空が広がっていた。少し港を歩いていくと、さらに港の先端までやってきた。ここがかの有名な羽豆岬である。やや強い日差しに照らされた海が輝いてとても美しい。この岬を見下ろす高台には羽豆岬展望台、そして羽豆神社がある。旅のゴールに無事と感謝の気持ちをこめて参拝した。
羽豆岬を巡るのであれば参道階段の近くにある公園にある石碑を見なければいけない。石碑はSKE48の「羽豆岬」という曲の歌碑だ。ご当地ソングで、PVには羽豆岬や羽豆神社、周辺の観光スポットなども登場し、今でも羽豆神社には多くのファンが訪れているようだ。
同曲を記念してリリースから3年後の2013年7月4日に歌碑が設置され除幕式も行われた。また海っ子バスにはラッピングされたバス車内にメンバーのサインが書かれている車両も走っている。
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