高速バスの魅力の1つに長距離を走り抜けるという直通性がある。近距離高速バスよりも都市間高速バスは乗り換えの必要がなく便利だ。今回は三重県を縦断する高速バスに乗車したのでその様子をレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■乗車は三重県熊野市
今回の乗車は三重県熊野市からだ。三重県の南部に位置し目の前は熊野灘、太平洋の海原が広がる非常に景色のいい海辺の街である。世界遺産の熊野古道があり、熊野参詣道からは紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へと古道が続いている。
日本最古の祭祀遺跡の一つといわれる花の窟神社などの歴史と文化が今も受け継がれ、また夏には熊野大花火大会が開催され、約1万発の花火が夜空を彩り毎年十数万人という来場者で賑わう。
■名古屋南紀高速線
今回は熊野市の観光スポットである鬼ヶ城に近いバス停から乗車した。しばらく待っているとバスがやってきた。今回乗車する「名古屋南紀高速線」である。ここからの乗車は筆者1人であったので、入口で乗務員に予約画面を確認してもらい乗車した。「名古屋南紀高速線」は和歌山県新宮市にある三交新宮駅前から愛知県名古屋市の名鉄バスセンターまで、三重県を縦断する高速バスである。
1日5往復が設定され、うち2往復が三交新宮駅前発着で、3往復は三交南紀までの区間便である。新宮から熊野市までは一般道を、そこからは自動車専用道の熊野尾鷲道路、そして紀勢自動車道から伊勢自動車道、東名阪自動車道と高速道路を経由して名古屋に向かう。
途中多気町にある商業施設「VISON」に立ち寄り、乗降することも可能だ。車内は4列シート補助席付きのタイプで、しっかりとしたシートである。前面には折りたたみのテーブルはないが、カップホルダーに荷物などが入るポケット、下部にはUSBポートが設置されていて携帯電話などの充電などが可能である。
■乗車定員制?
雨が落ちる中でワイパーを作動させながらバスは順調に各バス停に停車しながら走行する。「名古屋南紀高速線」は予約サイトなどでバスの便予約が可能であるが座席の指定はできない。よって当日やってきたバスに乗車した際に好きな座席を選べるのだが、乗車が多いと相席になるのは一般的な高速バスと同じだ。
どれほどの乗車があるのか気になっていたが、筆者が乗車した「鬼ヶ城東口」バス停の時点で筆者を入れて3名という状況であった。もう少し乗車しているのではと思っていたがやや寂しい感じだ。
■海山バスセンター
しばらく走行すると最初の休憩地である海山バスセンターに到着した。ここで約10分の停車だ。ここは松阪熊野線に乗車した際も休憩として降りたところだがバスセンターというものの、乗車券の販売窓口と待合室、トイレに自販機というくらいで何かの店舗などがあるわけではない。
周りも夜行バスなどの利用者のための駐車場のほかは、砂利の敷地が広がっているだけで、何台か回送のバスが停車している程度である。外で時間を潰す場所もないので降車せずにそのまま乗車している人もいたようだ。その後は紀伊長島駅前で1名の乗車があり最終的には筆者を含めて6名の利用であった。
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