■サドンデスあみだくじ
GTFSデータを基に、網の目のように張り巡らされた兵庫県内のバス路線を観察していくと、意外なほどバス路線がブチブチ途切れていると気付いた。
しかも途中までは順調に北上できていても、1回でも乗り間違えると、袋小路に追い詰められてそのままジエンドになってしまう、サドンデスあみだくじな選択肢が蠢いている模様。
さらに、路線自体は繋がっていても、バスの時刻まで考慮に入れると、使いたくても使ったらオダブツな区間がこちらをじーっと見つめてくる。
これ、カレーをハヤシライスに作り変えるのと同じくらいの難易度に思えてきた。同じ県内移動なら余裕だとタカくくってたのに、まさかそんなに壁が高いとはね。
■北を目指すなら西へ行け?
乗換検索の提案を踏まえつつ、あれこれ思案した結果、最初の三宮では「神姫バス神戸三ノ宮バスターミナル」へ行き、三宮から北西方向に54kmほど進んだ、「社(やしろ)」という所まで向かうバスに乗れば、何とかなりそうだと判断した。
朝9時前にバスターミナルに赴いた。一般バスと書かれた出発案内に「9:10 社・車庫前」行きが掲示されていて、まずはこれに乗る。
三ノ宮バスターミナルは線路の高架下に作られていて、大型バス車両が縦に2台ずつ所狭しと並んでおり、ちょっとした秘密基地感がカッコいい。
神姫バスが運行する社行きは急行の扱い。出発する6番乗り場には、全長12mクラスのハイデッカー車(三菱ふそうエアロエース)が停まっていた。
■高速バスみたいな一般路線バス
バスがターミナルを出発すると、新神戸駅の脇を通りながら新神戸トンネルを抜けて、一路郊外へと進んでいく。
注目すべきは社行き急行バスの性質。ハイデッカー車が使われている一方で、バスの種類としては一般路線バスの扱いになっている。乗換検索でも、検索条件から「高速バス」を除外しても、このバスが候補に出てくる。
一方で、新神戸トンネルは元々バイパス道路として作られ、現在のところ阪神高速道路の一部に含まれてはいるものの、道路番号(32号線)は青地に白で、50cc超〜125cc以下の小型バイクも通行できる。
そんな要素を踏まえると、社行きの急行バスは、形式的な高速道路を少し走る、高速車を使った一般路線バスという、複雑怪奇な肩書きを持つとも考えられ、なんとも風変わりで楽しい。
新神戸トンネルを抜けると、終点まで一般道を通っていく。やや狭めの片側1車線道路が続き、大型車同士のすれ違いではドライブテクが光る区間が次々と現れ、難関をキレイにクリアしていく様は見ていて爽快。
使われている車両が高速車だけに、一般路線バスとしての居住性は有り余るほどの快適さ。三ノ宮バスターミナルを出て1時間半ほどで、終点の社営業所に着いた。運賃は1,330円。
この時点でまだ全然瀬戸内海側。分水嶺を越えて日本海側へ到達するには、さらにバスを乗り継いでいかないといけないが、何かと高そうな壁が手ぐすね引いて待っていた。続きはまた次回。
【画像ギャラリー】三ノ宮から神姫バスで社営業所へ(9枚)画像ギャラリー
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