■特別方向幕表示も!
式典が終わると早速バスへの乗車が始まった。今回は記念の便ということもあり、座席はほぼ満席という状況であった。そして記念便に合わせて特に用意されたと思われる名鉄バスのARCAが入線してきた。前面、乗降口のLED表示には「祝開設50周年 名古屋・飯田線 超特急飯田」と特別表示が出されており華を添えた。
乗車前にはドアラがお見送りを行い筆者もハイタッチをして乗り込んだ。また乗車記念としてプラ製の記念乗車証が2種類、そして記念品などが乗客に配布された。乗車証は名鉄バス、信南交通と2種類用意され、それぞれの担当便の乗車時に配布された。
定刻から10分遅れの10時10分、バスは多くの関係者やギャラリー、ドアラに見送られて名鉄バスセンターを出発した。これまで何度も上り下りしただろうスロープを下って、バスは名駅入口より名古屋高速道路へと入っていった。
■名鉄バスの「ARCA」とは?
今回乗車したARCAについて紹介したい。このバスは名鉄バスが創業20周年と高速バスのベースとなる名古屋中央営業所の新築移転に合わせ、高速バスの夜行便と昼行便に各1両ずつ、名鉄バスとして初めての特別仕様車を新車導入したものである。
愛称は「ARCA(アルカ)」と命名され、スペイン語で「箱舟」を意味し、安心して乗客を全国へ導く「箱舟」になるようにとの思いからだ。運行は2024年7月7日からで、今回乗車したエアロエースは名古屋~金沢線、名古屋~神戸線、名古屋~伊那線、名古屋~富山線など、夜行便として登場したスーパーハイデッカーのエアロクイーンは名古屋~仙台線、名古屋~新潟線、名古屋~福岡線などで活躍している。
エアロエースARCAは黒のボディカラーをベースに、幾何学模様をあしらい名鉄バスのイメージとは異なる重厚さやプレミアム感を出した車体になっている。車内のインテリアは黒色をベースにデザインされており、落ち着いた空間である。また長距離移動の疲労を和らげる新素材を座席のクッションや枕に使用するなど乗客が安心・快適に過ごせる技術が取り入れられている。
座ってみると低反発で、座席自体も大きくしっかりと体をホールドしてくれる。また枕も大きくふわふわなのが長時間の乗車でも疲れない非常にいい座席という印象だった。座席周りにはUSBポートが用意され、スマホなどの充電に使用できるほか、読書灯にドリンクホルダーなど基本的な設備も整っている。
■沿線道路の様子
バスは名古屋高速道路から東名高速道路、そして小牧ジャンクションから中央自動車道へと入っていく。ここに入ると最初のバス停が見えてくる。側道へ入ると「桃花台」バス停に到着した。ここで乗降することも可能で、名古屋への通勤などにも利用できるが、この区間にいついては事前の予約は不可で空席がある場合に限り利用可能である。この日は1名の乗車があり再びバスは走り出した。
前方の展望を楽しみつつ、ゆっくりと体を伸ばしてリラックスする。筆者はいわゆるヲタ席である1列目の座席に座っていたが、冷蔵庫などの関係で後ろの座席に比べるとうまく足が伸ばせないことがある。ただこのARCAは十分にシートピッチが取ってあり、窮屈には感じなかった。その点でもグレードの高い車両と実感することができた。
しばらく走行すると多治見インターの手前から車線規制を伴う工事区間に入った。交通量はそこまで多くなかったのだが、さすがにここでは渋滞に巻き込まれた。調べると現在リニューアル工事を行っており、昼夜連続の規制が12月19日まで続くという。しばらく続くということなので通行の際は気をつけてほしい。
やや時間がかかり、さらに遅れが広がる。次の土岐インターで制限が解除され、順調な走行に戻った。やがてアナウンスが流れ次のバス停に到着した。着いたのは岐阜県中津川市にある神坂パーキングエリアである。パーキングエリア内に「馬籠」バス停が設置されていて、乗降が可能だ。
予定より10分少し遅れて、約1時間30分ほどかかり到着した。筆者と入れ替わりに1名乗車して、バスは飯田へ向けて走り去っていった。
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