江戸時代の宿場町へバスでタイムスリップ!! 「名古屋-飯田線」の開設50周年記念式典取材レポート

■中山道の馬籠宿を散策

バス停には外国人観光客用に英語表記の地図が用意されていた
バス停には外国人観光客用に英語表記の地図が用意されていた

 さて、降りた筆者は馬籠(まごめ)を目指す。調べると神坂パーキングエリアを出た先にバス停があり、馬籠方面へ乗り継ぎができそうだった。高台のような歩道を歩いてくとバス停が見えてきた。ここが北恵那バスの「神坂小中学校前」バス停である。時刻表を見ると、かなりギリギリで間に合ったようだ。

一般道のバスは本数が少ないので調べておく必要がある
一般道のバスは本数が少ないので調べておく必要がある

 神坂パーキングエリアは現在、ETC専用出入口の工事を行っていて接続する道路が交互通行となってる。やや通過に時間がかかり、そのため間に合ったようだ。やや遅れてバスがやってきた。車内はほぼ満員で外国人がかなり乗車している。地方のスポットでも外国人観光客の多さを感じる。バスに乗車して数分で終点の「馬籠」バス停に到着した。

北恵那交通で馬籠宿へ向かう
北恵那交通で馬籠宿へ向かう

 降車すると山々に囲まれた風景と街道と交差する十字路、そして暑さと強烈な日差しの強さを感じた。ここが中山道の宿場町の馬籠宿である。江戸時代に多くの旅人が行き交った五街道の中の1つが中山道である。江戸から京都を結び、山間を縫うように現在の埼玉、群馬、長野、岐阜、滋賀の各県を経て京都へと至る。

乗車時間は数分だがアップダウン激しいのでバスの方が楽!
乗車時間は数分だがアップダウン激しいのでバスの方が楽!

 そのうち岐阜県中津川市には当時の宿場町が3つ残されていて、一番東にあたるのが中山道43番目の馬籠宿である。街道は当時の風景を残しつつも、お土産屋やカフェが立ち並び、散策して楽しいエリアになっている。筆者も交差点から東へ歩いてみることにした。

中山道の馬籠宿に到着
中山道の馬籠宿に到着

 ここからだと妻籠宿の方向になるが、ずっと上り坂が続くので炎天下ではなかなか大変だ。750mほど歩いたところにある馬籠見晴台まで歩き、辺りに広がる木曽路、美濃路の風景を堪能したあと、来た道を戻って神坂パーキングエリアまで行くこととした。

江戸時代の様子を今に伝える街道
江戸時代の様子を今に伝える街道

■戻りは歩き…

街道沿いの店舗は現代の需要に合ったものだが雰囲気は当時のまま
街道沿いの店舗は現代の需要に合ったものだが雰囲気は当時のまま

 馬籠宿から神坂パーキングエリアまでのバスは1時間1本程度なので時間が合わなかった。歩いても行けるとのことだったので向かってみたが、起伏があり急いで向かうには汗をかくが、ゆっくり散策しながらであれば、それほど苦ではなさそうだ。沿道にはもみじが並ぶ公園もあり、秋には綺麗な景色を見せてくれるだろう。

急な坂道を徒歩で上り下りしていた当時の健脚さには脱帽だ
急な坂道を徒歩で上り下りしていた当時の健脚さには脱帽だ

 歩いて約20分で神坂パーキングエリアの名古屋方面である下り線に到着した。バスの時刻にはまだ少し時間があったので涼しいエリア内施設で待ち、バス停に移動してバスを待った。再び神坂パーキングエリアにある馬籠バス停から名古屋に向けて乗車する。

新しい現代の街道を路線バスが走る
新しい現代の街道を路線バスが走る

 やってきたのは往路で乗車した名鉄バスのARCAであった。飯田駅前から戻ってきた便なので乗務員も同じである。再び乗車の手続きを行い、乗車証を受け取った。偶然だが復路も同じ座席を取っていたので、迷うことなくすぐに座る。居心地のいい座席で気持ちがいい。ここでは筆者だけが乗車した。

名古屋方面行きの高速バス停案内
名古屋方面行きの高速バス停案内

 ほぼ定刻でやってきたバスは中央自動車道を西へと進んでいく。行きにも遭遇したリニューアル工事区間では特に渋滞することもなく順調に抜けることができた。その後も桃花台バス停に停車したが乗降はなく発車した。名古屋高速道路を進み、約5分ほどの遅れで名鉄バスセンターに到着した。降車の確認を行った後、バスは回送で車庫へと向かった。

往復ともARCAだった
往復ともARCAだった

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