■緑をかき分け栃木県に迫る
バスが通る国道120号の群馬県側の区間は、道路の両側を木々に囲まれ、春〜夏にかけては緑の中をかき分けて進むような景色が中心になる。
ダイヤ通りに進んで出発46分後の「菅沼」停留所を通過後にヘアピンカーブを曲がると、金精峠の頂上を通る金精トンネルに入り、このトンネル内に群馬県と栃木県の県境が引かれている。
金精峠の道路の最高地点は1,843mあり、この数値を踏まえると、湯元温泉線は飛び抜けた高所を走る路線バスの一つに数えられそうだ。
トンネルを抜けると周囲が一気に開け、終点の湯元温泉がある湯ノ湖を遠方に望む、高低差の際立つパノラマビューが広がり、その瞬間は必見。
■裏側から日光へ行くバスルート
金精トンネルを抜けた後は、標高1,481m地点の湯元温泉まで、下りカーブをこなしつつ高度を落としていく。
全区間が36kmあるのに対して、栃木県に入ってから終点までの距離はおよそ6.3km。湯元温泉線もまた、アウェー側には少しだけ乗り入れて終了な、県境越え系路線バスのお作法に則った距離配分を取っているように思える。
鎌田〜湯元温泉間の所要時間は59分で、運賃が2,150円。湯元温泉から先は、中禅寺湖〜いろは坂〜日光へと繋がる東武バスの路線が出ており、割と簡単に乗り継ぎ可能。
この湯元温泉線を活用すれば、一般的なアクセス方法とは逆向きの“裏側”から日光へ行く、なんて変化球なルートも組める。
群馬県/栃木県の奥の方を走るゆえ、始発の停留所まで行くのが少々大変ながら、本格的な山岳路線バスの貫禄は十分。関越交通「湯元温泉線」は、重厚な乗りごたえが楽しい群馬の隠れた名路線だ。
【バス路線の基本データ】
関越交通 湯元温泉線(鎌田〜湯元温泉)
・跨ぐ県:群馬県 → 栃木県
・移動距離:36km
・所要時間:59分
・全区間の運賃:2,150円
・停留所の総数:24
・栃木県内の区間距離:6.3km
・栃木県内の停留所の数:2
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