■2点間輸送の特徴
企業契約の輸送というと、駅と工場を結ぶ朝と夕方の通勤用シャトルバスが多いのだが、新宿の場合は趣が異なる。それは工場ではなく都心のビル全体の人員輸送だからだ。もちろんビル内で働いている人が主に乗車するが、多くのテナントを利用する人や来訪者も利用する。
関係者以外は乗車できないが、ビルを利用する人は定期乗車用のパスや社員証を提示するし、テナント利用者はあらかじめ発行された乗車証や回数券等の乗車券類を持っている。結局は朝夕だけではなく1日中利用者がいるのだ。
よって平日は早朝から夜までラッシュ時は毎時7~8本、日中は10分ヘッドで複数台のバスが輸送に当たる。2点間輸送は途中の乗降場所がなく循環で走る。ダイヤはある程度の余裕がある時間帯があり、仮に遅延してもどこかの余裕時分や休憩のタイミングで取り戻すことができるので焦る必要なない。
それよりも大変なのは、乗降場所は複数のシャトルバスと共有しているので、ダイヤはずらしているものの遅延や早着でバスが重なると団子になってしまい、乗降に混乱をきたす。そこで業務用の無線で連絡を取り合い、発着順を調整しながら運行する。運行事業者が異なるバスの時刻表も実は運転席に掲示してあり、団子にならないように注意して運転している。
このような実際の営業運転では、空車教習にはない毎回変わるシチュエーションを的確に読みながら他に迷惑をかけないようにスムーズに運行する努力をしているのだ。記者の再営業教習初日は無事に終了し2日目以降に進む。
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