おじゃまします! バス会社潜入レポート 西東京バス編【その1】

おじゃまします! バス会社潜入レポート 西東京バス編【その1】

 西東京バスは東京都八王子市に本社を置き、東京都西多摩地区を中心に、山梨県北都留郡の一部にも路線を延ばす。

 今回から4回にわたって、社名の通りに東京の西方面をネットワークしている西東京バスを紹介する。

 八王子市域では高頻度運行で通勤通学輸送を担う一方、山間部では過疎化対策を強いられている。また、高尾・八王子と青梅線沿線を起点とした空港連絡バス、新宿・八王子などを起点にした都市間高速バスも運行している。

構成・執筆・写真(特記を除く)/加藤佳一(BJエディターズ)
※2016年9月発売「バスマガジンVol.79」より

【画像ギャラリー】西東京バスが走る風景を写真で辿る! 本文未掲載写真も! バス会社潜入レポート 西東京バス編【その1】


■八王子を中心に通勤通学輸送 郡部の過疎路線に新たな風も

●青梅宿

昭和レトロな映画看板が掲げられた青梅宿の街並み。河辺駅南口からの〈青21〉系統が日中は1時間に1本やってくる
昭和レトロな映画看板が掲げられた青梅宿の街並み。河辺駅南口からの〈青21〉系統が日中は1時間に1本やってくる

 西東京バスは京王グループの事業者で、高尾自動車、五王自動車、奥多摩振興の3社が、1963(昭和38)年に合併して誕生した。

 現在は楢原(ならはら)、五日市、青梅、恩方(おんがた)の4営業所と、楢原管内に中野学園車庫、五日市管内に氷川(ひかわ)車庫を持つ。乗合バス営業キロ2916・7km、社員数800人である。

 五王自動車の起源である秋川街道の路線(八王子~五日市間など)は、現在も幹線であり、途中折り返しを含めると日中でも10分間隔の高頻度運行が行われている。また、あきる野市のサマーランドと八王子との間に、シーズン中には直通バスが運行されている。

 高尾自動車が開業した陣馬街道の路線(八王子~陣馬高原下間など)も、いまなお幹線のひとつであるが、00年代には八王子一極集中を改め、西八王子・高尾発着に変更する再編が行われた。また、07(平成19)年までボンネットバス「夕やけ小やけ号」が走る路線として名高かった。

●JR八王子駅

JR八王子駅北口には30系統以上が乗り入れ、高校や大学への通学路線も多い。朝は乗り場に学生たちの長い列ができ、急行バスや直通バスが運行される
JR八王子駅北口には30系統以上が乗り入れ、高校や大学への通学路線も多い。朝は乗り場に学生たちの長い列ができ、急行バスや直通バスが運行される

 八王子市域では70年代からベッドタウン化が加速。西東京バスでは74(昭和49)年のみつい台住宅線を皮切りに、住宅地路線を次々に開設し、通勤輸送を担ってきた。80年代からは深夜バスの運行を開始。続いて深夜急行バスも開業した。00年代に入ると、最終バスの時刻の大幅な繰り下げを行っている。

 また70年代には多くの教育機関が立地し、大学・高校への通学輸送も路線バスの柱のひとつに成長。朝夕を中心に、急行バスや直通バスも運行されている。

 明治大学付属中野八王子中学・高校と工学院大学のスクールバスは特定事業として受託。中野学園車庫は学校敷地内にあり、スクールバスだけを運行する異色の存在である。

●JR高尾駅

「関東の駅百選」に選定されているJR高尾駅北口駅舎。八王子市西部の丘陵地に造成された住宅地への路線が駅前に発着する
「関東の駅百選」に選定されているJR高尾駅北口駅舎。八王子市西部の丘陵地に造成された住宅地への路線が駅前に発着する

 五日市営業所管内の檜原村方面路線や氷川支所管内の山梨県都留郡方面路線では、沿線の過疎化が進行し、乗客の減少が続いている。

 しかし近年、檜原村では村や住民と協調し、西東京バスとワゴンバスが相互に接続する新たな運行形態の導入が図られている。また昨今の山歩きブームにより、シーズン中には多くの観光客が見られる。

 なお、00年代にはコミュニティバスの運行受託を開始し、あきる野市「るのバス」、日の出町「日の出ユートピア号」(現在は貸切事業で行う無料バス「ぐるり〜ん日の出号」)、八王子市「はちバス」、羽村市「はむらん」を担当している。

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