公道では様々な車両が走行している。乗用車や二輪車、さらにはトラックやバスといった大型車両はもちろん、自転車等の軽車両までが利用している。そして、歩行者はすぐ近くの歩道を利用している。
バスなどの大型車両から見て、最も気を遣うのが歩行者だ。大型車は死角が多く、周囲が見えにくいためだ。さらに自動車と比べると、歩行者の動きは予測がつきにくいこともある。
そこでバスの運転士に、公道で特に気になる歩行者の行動について聞いてみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(写真はすべてイメージです)
赤信号ダッシュはやめて!
横断歩道での赤信号ダッシュは絶対にやめていただきたいことのひとつです。バスの運転士は、右左折時に飛び出されると心臓が止まりそうになります。バスは動きがゆっくりですが、総重量が重く止まりにくいのです。
そして点滅信号での横断は道路交通法違反でもあります。大型車両は内輪差が大きく、後輪は歩行者の方が思っているよりも内側を通ります。急に飛び出しますと巻き込まれる危険性もあります。
すでに渡り始めているときに信号が点滅を開始したのであれば、そのまま渡り終えるまで待ちますので問題ありませんが、点滅し始めてから走り出すのは死角に入る危険性もあります。ドライバーもできる限り注意していますが、これはやらないでいただきたいです。
ガードレールとバスの間は危険がいっぱい!
バスの降車後にガードレールとバスの間を歩くのも危険です。バスは発車時にバス停に寄せた車体を車線へと戻すハンドル操作をします。この際、バスの後部は歩道側に大きく振られてしまいます。
これは後輪より後ろが長いためで、大型車両特有の動きです。この近くにいると接触する危険性があります。バス停から動き出すバスをみたら、ぜひお尻の動きを見ていただきたいです。
また交差点の赤信号で停車中のバスに手を振って「発車しないで!」と叫ぶ方がいらっしゃいますが、運転士はこれに気付いても止まることができません。路線バスはダイヤに沿って運行されていますので、ドアを閉じてバスが動き始めたら、原則として止まったりバス停に戻ることはできないのです。
運転士の好意で一度閉じたドアを開けることはありますが、停留所でしか乗降はできません。すでに発車したバスが、直後の信号で停車していても、そこで乗降はできないのです。これは電車が一度ホームを離れたら、絶対にドアを開けることがないのと同じです。
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