川崎鶴見臨港バス(臨港バス)はその名の通り、川崎と鶴見の臨港地区に運行路線を持つ路線バス会社だ。
長距離便の運行は見られなかったが、1964年東海道新幹線開通とともに鶴見駅から新横浜駅までの路線を開業させたのがきっかけにエリア最西端となり、この新横浜駅と羽田空港を結ぶ路線が1990年11月より運行開始した。
●川崎鶴見臨港バス(運行会社:川崎鶴見臨港バス 相手会社:京浜急行電鉄)
羽田空港〜新横浜駅線
乗車・撮影日:1991年2月(一部は2021年7月)
(記事の内容は、2022年11月現在のものです)
執筆・写真/石川正臣
※2022年11月発売《バスマガジンvol.116》『思い出の長距離バス』より
■臨港バスにとっては長距離バスの第1号路線
この新しく開業された新横浜駅〜羽田空港ルートは、相手会社京浜急行電鉄(京急)にとって羽田空港からの路線が、横浜、磯子、川崎に次ぐもので、かつ初の2社での運行となったものの、そもそもグループ会社同士なので開業開始の話も進んだことだろう。
車両は京急と同じ三菱ふそうエアロバス。塗色は前年に観光バス初のスーパーハイデッカー導入の際に新塗色として採用されたものと同じだったが、観光バスが長く親しまれたデザインが時代に合わなくなったことで、同じ白地に赤と青を簡素に仕上げられた。
車体上部の赤は情熱の太陽、下部青はベイエリアの海。とはいえ既存色も親しまれ、観光バスからの移籍車両とその後の新車にも2種類デザインが存在した。
■往路ではなんと高速道路を使わないで運行!?
新幹線開業で横浜の第二の駅、新横浜駅。開業当初からしばらく駅前は開発されなかった。閑散とした新横浜駅から羽田空港行が発車。
目の前の環状2号線を快走し横浜市から川崎市へ。川崎駅近くで川崎駅発羽田空港行と合流し、同じルートをたどり六郷橋渡り東京都入り、多摩川沿いを走って羽田空港へと到着する。
空港発は即首都高横羽線から第三京浜を、港北インターで高速降りていた。直線で結べば近いが高速走行しても横浜駅近くまで迂回し利用者は少なかった。
その後空港移転と首都高速湾岸線の延伸により、上下線とも首都高湾岸経由となり利便性の向上で利用者が増えて行った。鶴見つばさ橋、横浜ベイブリッジと高速二大橋渡る風光明媚な路線ともなった。
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