■ではどんなシーンで使われるのか
元々トップドア車は貸切バス用の車両(貸切車)で良く見られたスタイルだったが、長い年月を経て貸切車は貸切車で独自の進化を遂げた。
現在新車で購入可能なトップドア車は、送迎を主な用途に据えて販売されている。現行車の場合、高速道路の走行はできない。
もっぱら送迎専用なのかと思いきや、一般営業の路線バスにトップドア車を使うバス事業者もそれなりにある。
もちろん営業用のトップドア車には運賃箱や降車ボタンなど、一般路線バスに必要な設備が一通り付いている。
また、基本的に高速道路には乗らず、ある程度の距離を走る「急行バス」や「特急バス」にも、通常の路線車に比べ快適な車内環境が提供できるということで、トップドア車に白羽の矢が立つことがある。
トップドア車では、見ての通り1つのドアが入口と出口を兼任する。ドア2箇所の車に比べると乗降に時間がかかるため、利用率が極端に高い路線にはあまり使われない。
車内の構造上、トップドア車はバリアフリー対策が取りづらい関係で、2023年現在も一般路線バスとして使われているトップドア車は年式が古めの車両ばかりだ。
神奈川県の箱根登山バスや静岡県の伊豆箱根バス、東海バスなどでは、過去にトップドア車を積極的に使用していた。
同バス事業者の場合、2ドア車が大量投入された後も、中ドアを締切にして前乗り・前降り方式で客扱いを行う、トップドア車の名残を感じさせるスタイルを維持している。
最近はハイデッカータイプの高速車・貸切車を、そのまま送迎用や一般路線バスに充当する機会も全国的に増えている。
そのため、前述した狭い意味でのトップドア車は年々珍しい存在になりつつある。乗ろうとするバスにトップドア車がやってきたら、ちょっとラッキーかも!?
【画像ギャラリー】貸切から営業路線までマルチに活躍!! 魅力あふれるトップドア車(6枚)画像ギャラリー
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