路線バス車両には表記やステッカーなどがたくさん掲示されている。中でもちょっと不思議なワンポイントといえば、JRではないバスに付いているJRマークだ。これって一体!?
文・写真:中山修一
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■普段気づかないほどの極小サイズ
そのJRマークは、JRの鉄道車両やバスで見られるようなアピール性の強いものではなく、ナンバープレートよりもずっと小さい正方形の板に記されている。
それはフロントバンパーやヘッドライトの近くなど、対象となるバス車両正面のどこかに1枚だけ掲示されている。よく見るとネジ止めされており、ステッカーというよりも「プレート」や「バッジ」の類といったところか。
JR系列のバスではない、一般のバス事業者が保有している路線バス車両に見られるのが、非常に細かい箇所ながらも強い興味関心を誘う。
■JRとの接点はどこに?
では、どうしてそのようなJRプレートが取り付けられているのか。単なる飾りということは絶対に考えられず、何か接点があるハズだ。
JRが購入したバス車両を各社に貸し出す際、区別をつけるためにJRのプレートを付ける……そんな説も想像できることはできる。しかしそのような事実はなく、JRプレート付きの車両は基本的に各バス事業者の所有物だ。
JRの鉄道線と連携しているバス路線で使われる車両にJRプレートが付く説を立てたらどうかと言えば、こちらも全くの空想だと思ってよい。
では何のためのJRプレートなのか……実はこれ、各社のバス車両がどこのバスターミナルや停留所を経由するかで有無が決まってくる。
■コレがないと入れません
バスターミナルのロータリーや停留所バースなどは、場所によってJRの持ち物になっていることがある。そこに別会社がバスを出入りさせようとなれば、何らかの擦り合わせが必要になってくる。
JRプレートの正体、これはJRが持っているバス施設内に、営業用の車両を発着させる許可を得た証明書あるいは入場ID的なものだ。
そういった場所を通る路線に使われているバス車両であれば、1台ずつ個々にプレートが取り付けられる。あくまで業務用ゆえ最小限のサイズで問題ないと見られるが、小粒でも重要な役割を担う存在だったワケだ。
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