高速バスと観光バスは車両のジャンルを一括りにするのが一般にはわりと普通だ。どちらのクルマも呼び方が違うだけで、外身も中身もほぼ同じのため、見た目では区別が付かないのだろうが、果たしてそうなのか?
文・写真:中山修一
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■ベースになるのは同じクルマ
よくバス趣味では、高速バスの車両を「高速車」、貸切運行の観光バス車両を「貸切車」と呼び、細かく言う必要がないときは「高速・貸切車」のようなワンセットにして軽く流す場合も多々ある。
それくらい車両の姿形が似ている(もしくは全く同じ!?)ということになるが、街中で見かける高速・貸切車のメーカーや車種に注目すると、高速車でも貸切車でも同じクルマが使われている。
2023年現在では、日野セレガ、いすゞガーラ、三菱ふそうエアロエース・エアロクイーン等々、客室が高い位置にあるハイデッカータイプのクルマが現役の代表車種になっている。
これらのカタログを開くと、高速車でも貸切車でもベースになる車両は同じものが使われ、車体の全体的なデザインはほぼ共通であるのが見て取れる。
ただし、用途に応じてパッケージを変えて販売するのが一般的なようで、カタログ上でも高速バス仕様と貸切バス仕様とで別々の項目に掲載されている。
■外から区別するポイントは?
目の前に現れたハイデッカー車が高速バスなのか観光バスなのか、外側をパッと見るだけで区別が付くポイントでもあれば話が早い。
「この塗装のバスは○○観光の車両だから貸切車しかない」のような、バスを保有している事業者から判別する方法もあるが、大量の予備知識が要求されるため、その場で臨機応変に対応するための技としてはハードルが高すぎる。
バス事業者を選ばない高速バス/観光バスの見分け方の一つに、まず車体横の前寄りに注目して、ある文字を探し出すというものがある。
主にドアの近くに「乗合」と書いてあれば、そのクルマは高速車だと思ってOKだ。もし「貸切」となっていれば貸切車と断定できる。
■文字が書いてない……そんなとき!?
「乗合」と「貸切」の車体表記で区別するのが、最もシンプルで説得力のある判別法であるが、日本全国の全ての車両にこの文字が書かれているわけではないのが、ちょっと悩みどころだ。
バスのどこを見回しても乗合や貸切の文字が書かれていない……そんなときはバスの装備品が目安になる。車両の正面とドア近くの計2箇所に、LED式行先表示器や巻き取り式方向幕が付いていれば、かなりの確率で高速車だ。
貸切車の場合は側面ドア近くの表示器がなく、正面表示器の部分も事業者名などが書かれたプレートを中に差し込んで掲示するアナログ固定式が主流になっている。
車体表記または表示器の有無……どちらか一つを判断材料にすれば、当然例外はあるものの大抵は高速車と貸切車の区別を外見から付けられるはずだ。
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