大きな駅“も”通る路線バス……始発の場所には一体何があるんだろ?  〜益田駅と医光寺〜

■「日本遺産のまち」の足

 さて、ではどうしてこのお寺の隣にバスが集まってくるのか。よくよく医光寺始発のバスの通り道に注目してみると、医光寺〜益田駅の間に、お寺、神社、城跡ほか歴史にまつわる観光スポットが点在しているのに気付いた。

駅の東側には歴史と触れ合う観光スポットが
駅の東側には歴史と触れ合う観光スポットが

 この区間を走るバス路線には「雪舟ライン」の愛称があり、観光利用も考慮しているのが見て取れる。専用のバスではなく、医光寺始発の大抵の路線が、医光寺〜益田駅間を雪舟ラインとして運行するのが特徴。

益田市内の特定区間に掲げらた「雪舟ライン」のバス停標識
益田市内の特定区間に掲げらた「雪舟ライン」のバス停標識

 同区間は「日本遺産のまち」益田市内主要観光エリアの一つで、ちょうどエリア東側の端に位置する象徴的な場所が医光寺にあたる。

 となれば、医光寺を始発ポイントに据えて、益田駅に停まる既存路線を集約させれば、主要観光エリアの区間に路線を新設することなく潤沢な本数を確保しながら、利便性の高い地元/観光の足を提供できる。そういったカラクリがあるとみた。

「日本遺産のまち」と書かれた案内図
「日本遺産のまち」と書かれた案内図

 雪舟ラインの実質的な待ち時間は5〜20分くらいと十分に実用域。各路線ごとの本数は少なく極めて細いものの、束にすればそれなりに太くなる「三本の矢」を体現しているのが、まさに医光寺始発の駅“も”通る路線バスなわけだ。

【画像ギャラリー】ローカルだけど本数大! 医光寺をとりまくバス事情(11枚)画像ギャラリー

最新号

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

バスマガジン Vol.129は6月23日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、会津乗合自動車を特集。同社は福島県の約4割の面積を占める会津地方を営業区域とし、路線は会津盆地の若松・坂下・喜多方を拠点に、平野部の住宅地域から中山間地域へ広がるほか、東部の猪苗代・郡山湖南地区と南部の田島地区にも路線を有している。