■パークアンドライドなどを上手く組み合わせたい
しかしそうなると、今度はそれまで車で買い物に訪れていた客が、郊外のショッピングモールなど大型店舗へ流れるのではないか、という心配が浮上することだろう。
確かに、ただ中心部の交通規制をするだけであれば、そうした懸念が出てくるだろうし、車社会ならなおさらのことだ。
さらに一歩踏み出して考えれば、バス会社やタクシー会社、所轄の警察だけではなく、行政を含めた都市計画全体の話として見る必要が出てくる。
日本国外へ目を向けてみると、ただ環境にだけ着目した交通規制と言うより、都市や周辺地域も含めた人や物の流れがきちんと考えられているのが分かる。
■バス会社単独ではなく行政の町づくりから変えたい
日本の場合、空き地があればとりあえずコインパーキング、のような形で市内中心部にも駐車場が乱立しているが、例えばドイツなどを見ると、公共パーキング以外の「空き地の駐車場」なんてあまり見掛けない。
むしろ市内の駐車場の数を意図的に減らし、行政の指導により利用料も郊外より高額に設定、一方で郊外の駅や停留所に低額の駐車場を設け、バスやトラム、電車などの公共交通機関への乗り換えを促し、中心部への自家用車の流れを減らす、いわゆるパークアンドライドを上手く活用している。
もちろん、交通機関は最低でも30分間隔で運行され、運賃収入だけに頼らず補助金も上手く活用するなど、より公共性を重視した運営が行われている。
交通規制を単なる「環境の良い静かな町づくり」という枠だけに留まらせるのはもったいない。昨今は高齢ドライバーによる事故が社会問題となっているが、自ら運転をしなくても買い物や通院が可能な町づくりを実現するためにも、その一歩として誰もが気軽に公共交通機関を利用できる制度や都市計画までを期待したいところだ。
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