今夏の富士急ハイランドの目玉であるZOKKONは既報の通りだが、鉄道マニアにとって富士急ハイランドどころではない部屋が隣接するハイランドリゾート ホテル&スパに登場した。事前に報道関係者に公開されたので細部をお伝えする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■鉄道車両の運転室をそのまま部屋にぶち込んだ!
鉄道マニア向けに鉄道車両をテーマにした特別な部屋が設置されているホテルは多くなっている。これは航空でも同様だ。富士急行ではハイランドリゾート ホテル&スパに鉄道マニアにしかウケない部屋を作ってしまい、それを報道関係者に公開した。
鉄道会社なので「素材」は豊富なのだろうが、ホテルの部屋に運転席をそのまま入れるとなるとなかなか厄介だ。そもそも建設段階で入れるのではなく既存の部屋だから物理的に無理がある。よって運転席は実物の5分の4程度で、機器類はすべて本物を使用しているなどの工夫がみられる。
部屋に入る前から怪しい雰囲気を醸し出している。部屋のドアには本体の鉄道会社よりも立派な富士山麓電氣鐡道の「表札」が掲げられている。知らない人が見ると「富士急の事務所がなんでホテルの中に?」と思ってしまう。中に入ると、やってしまった感のあるヲタぶりが炸裂する。
■居室に入るまでに勝負をかけた?
部屋に入ると居室に至るまで廊下になっているが、そこには鉄道車両のユニットサッシがはめ込まれ、別に外が見えるわけではないのだがすでにタダモノではない雰囲気だ。窓枠があればその上は当然ながら荷物棚がある。これも本物だ。何を置いても構わないが、この本物志向がマニア心を揺さぶる。
まだ部屋には入っていない。部屋の入り口には暖簾が掛けられているが、足元をよく見ると車両のつなぎ目のような妻面と渡り板、幌があり、いかにも次の車両に乗り移るような雰囲気にさせてくれるが、これも本物だ
■ようやく居室に到達すると……
居室に入ると大きなベッドが二つ。テーブルと椅子が2脚。この椅子はもちろんモケット張りだ。そのほかのスペースは電車の運転席で占められている。窓の外は富士山で、テレビは枕もとの上にデーンと大画面が設置されている。このモニターには運転席映像が流れるので、マニアは決してテレビを見ることはないのでこの位置でいいのだ。
デッドスペースには本物の40パーミル勾配標が立てられており、どこに40パーミルの勾配があるのかという略路線図が壁に描かれている。埋め込まれたディスプレイスペースには鉄道模型が入れられ、壁面には製造プレート等のレアものが惜しげもなく埋め込まれている。もうお腹いっぱいだが、まだ肝心の運転席に入っていない。
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