三菱ふそうトラック・バス株式会社は、大型送迎バス「エアロスター前扉仕様車」の発売を6月から開始することを発表した。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
画像提供:三菱ふそうトラック・バス株式会社
【画像ギャラリー】三菱ふそうが大型送迎バス「エアロスター前扉仕様車」を発売開始!
じつはまだなかった!? エアロスターのトップドア仕様
同社によると前扉仕様車は企業や学校での通勤・通学、商業施設やホテルでの送迎等のビジネスシーンで主に利用され、前扉仕様の大型送迎バスはこれまでにも高いニーズが存在しており、今回エアロスターシリーズに新たに前扉仕様車を追加したとのこと。
大型送迎バスの前扉仕様車は中扉をなくすことにより、座席数を増やすことでより多くの旅客を着席で快適に目的地まで送迎できるメリットがある。通常の「エアロスター」ワンステップ車では座席数が最大で34席であるのに対し、前扉仕様車の場合には49席まで増やすことが可能になった。
また車前輪のタイヤ上に位置するフロントフェンダーより後ろの客席フロアをフラットにできるために、車内の移動が容易かつ快適な車内空間を提供できる。
なお、本車両で高速道路等(制限速度60km/hを超える自動車専用道路)での運行はできない。
ノンステップ全盛時代だからこその意義
現在のところ路線バスはノンステップ車全盛時代であると言える。昔は標準床のトップドア車は近距離地方都市間連絡の路線バスでは比較的よく見る姿だったが、ハイデッカーとノンステップに二極化してしまい低床あるいは標準床でのトップドア車は需要はあるのだろうが、いつの間にかレア車になった感がある。
その意味でビジネス需要向けとはいえ、路線車ベースのトップドア車が製造されることは、ユーザーの選択肢が増えるのみならず旅客にとっても快適な移動空間と着席チャンスが増えることによるメリットは大きいのではないだろうか。