高速バスで産地直送野菜を継走する社会実験始動!!トップランナーは京王グループの中央高速バスだ

高速バスで産地直送野菜を継走する社会実験始動!!トップランナーは京王グループの中央高速バスだ

 京王電鉄では2021年7月27日から2022年3月31日の火曜日から土曜日まで(お盆・年末年始等の一部期間を除く)、高速バスと鉄道を活用して農産物を配送する実証実験を行っている。

 バスや旅客車(鉄道)を利用して産地直送という取り組みは徐々に増えているが、バスと鉄道連携ではどこで中継するのかが問題になるだろう。そのあたりの事情を探ってみた。

文:古川智規(バスマガジン編集部)

【画像ギャラリー】中央高速バスとトラック・鉄道が産地直送野菜を新宿まで継走!


高速バス・トラック・電車が継走する!

 この実証実験は、京王線新宿駅の京王モールの観光案内所「中部地方インフォメーションプラザ in 京王新宿」で販売する飛騨高山の農産物を、同地から高速バスと京王線の電車に積載 して配送するものだ。

 鉄道での輸送には京王ライナーとしても親しまれている京王5000系車両をモデルにしたカバーを装着した荷物運搬用の台車を使用する。

中央高速バスの一例(記者撮影)
中央高速バスの一例(記者撮影)

 今回配送するのは特選館あじか(岐阜県高山市国府町の直売所施設)の農産物で、中山間地域の冷涼な気候と豊富で美味しい水など、地域特有の自然の恩恵を受けて育てられ た特産品である。

 京王グループの「高速バス」「鉄道」という既存の公共交通インフラを活用することで、配送に伴う環境負荷の低減を図るとともに、鉄道を利用することで都心部の道路混雑の影響 を回避し、商品配送の定時性・速達性確保にもつなげる狙いがある。

京王5000系(記者撮影)
京王5000系(記者撮影)

 また同社では今回の実証実験の検証を踏まえて、農産物以外の商品配送や、生活利便性向上に資する新たなサービスの検討につなげたい考えだ。

  同時に京王グループと様々な取り組みで連携している飛騨高山の農産物の販売促進を通じて、高山市の知名度向上や観光誘致の拡大等、地域経済活性化を図る。

京王5000系を模した台車カバー
京王5000系を模した台車カバー

 実際に輸送するものは飛騨高山の農産物で、飛騨高山は、飛騨トマトや飛騨ほうれん草などに代表される農産物の一大産地だ。1日当たり段ボール(120サイズ)6箱程度の配送を予定している。

 農産物の一例としてはトマト・ホウレンソウ・モモ・ナス・トウモロコシ・キュウリ等が想定されている。

産地直送の野菜
産地直送の野菜

次ページは : 気になる継走ルートは?

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。