米倉鮮魚店・西肥自動車・大阪空港交通・Double Doors・ジェイエアは共同で佐世保市の朝〆鮮魚を、昼すぎには大阪市の飲食店まで輸送する実証実験を実施した。
佐世保から長崎空港までは西肥バス、長崎空港から大阪国際空港までをJAL CARGOと連携するJ-AIR定期便で、そして伊丹からは大阪空港交通リムジンバスで輸送し、大阪なんばのITADAKIMASU FOOD HALLで寿司などに調理して提供した。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】バス輸送がブランドに?バス・エア・バスのリレー輸送
バス・エア・バスの連携は空港連絡バスが最適なのは当然か
昨今は高速バスを利用した生鮮品の輸送実証実験が各地で行われている。コロナの影響で旅客が減少した影響もあるが、空いたスペースやトランクルームを有効活用することにより、小規模ながらも産地直送の物産を大都市にダイレクトに届けることができるメリットがある。
しかし、これまで行われていたのは基本的に高速バス1路線で完結できる距離、あるいは時間に限定されていた。長距離輸送となれば従来通りの空輸またはトラック輸送に頼らざるを得ない。ただしこれらの輸送手段では貨物としては比較的大型で小口輸送には不利であった。
そこで空輸を小口に対応させ、かつ産地から空港、空港から都市中心部への輸送を空港連絡バス(リムジンバス)をリレ-することでダイレクトに届けることを実証する目的もある。
貨客混載なので言葉は悪いが「ついで」に荷物が便乗するだけなので、本来の目的である旅客輸送に不都合は出ずに、人手がほとんどかからないので運賃も廉価に抑えられるだろう。
空港連絡バスはターミナル=大消費地と空港を最短で直結するので、空輸と結びつけるのは理にかなっていると言える。双方のターミナルまで(から)の輸送は、それぞれの社員が行うことで経費の削減と輸送時間の短縮を実現している。
バス輸送そのものがブランドになる日は近い?
バスと空輸を組み合わせれば中継地点を経由するトラックに預託する必要はなく、店舗もターミナルに近いためにその気になれば徒歩で台車輸送が可能というリムジンバスならではのメリットがある。
このような実証実験で地方の産品がいち早く大消費地に小口輸送する手段が確立されれば輸送手段そのものがブランドになり、輸送したバス会社のシールが貼られる日が来るのかもしれない。