都バスの『SORA』が災害時に給電支援!!小さな発電所として機能

都バスの『SORA』が災害時に給電支援!!小さな発電所として機能

 東京都交通局・東京都環境局・東京都総務局によると東京都と水素ステーション等が連携し、自然災害等による停電発生時に、避難所などにおいて交通局の燃料電池バスを活用した給電支援が行えるようになった。都営バスの燃料電池車が災害時には小さな発電所になる。

文:古川智規(バスマガジン編集部)

【画像ギャラリー】災害時に都営バスが大活躍?燃料電池車は小さな発電所!


燃料電池車は小さな発電所!

 水の電気分解の逆の水素と酸素の化学反応を利用して発電した電気で走る燃料電池バスは、外部給電器を使えば静音で家電製品等へ給電することが可能だ。

燃料電池車と外部給電器を接続
燃料電池車と外部給電器を接続

 燃料電池車出動の大まかな流れは次の通りだ。自然災害等による被災地では自治体が東京都に給電支援を要請する。都では総務局から交通局に対して出動の要請をする。交通局では燃料電池車を水素ステーション等の水素供給施設に向かわせ燃料である水素の供給を受ける。その足で被災地に出動し、給電支援を開始するという流れだ。

給電支援の流れ
給電支援の流れ

 もっとも、従前から用意している非常用発電機や電源車もあり、これらを総合的に活用しての給電支援なので、燃料電池車の出動はその一環に組み込まれる新たな給電支援ということになろう。

避難所で約4.5日分の給電が可能
避難所で約4.5日分の給電が可能

 また燃料電池バスは大型バスであるため、支援対象施設へ出向く往復の道路状況や乗り入れることが可能なスペースがあることが条件なのは言うまでもないが、避難所で約4.5日分の電力を供給できる燃料電池バスは災害時の強い味方になることが期待される。

【画像ギャラリー】災害時に都営バスが大活躍?燃料電池車は小さな発電所!

最新号

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

バスマガジン Vol.129は6月23日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、会津乗合自動車を特集。同社は福島県の約4割の面積を占める会津地方を営業区域とし、路線は会津盆地の若松・坂下・喜多方を拠点に、平野部の住宅地域から中山間地域へ広がるほか、東部の猪苗代・郡山湖南地区と南部の田島地区にも路線を有している。