東京都交通局・東京都環境局・東京都総務局によると東京都と水素ステーション等が連携し、自然災害等による停電発生時に、避難所などにおいて交通局の燃料電池バスを活用した給電支援が行えるようになった。都営バスの燃料電池車が災害時には小さな発電所になる。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
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燃料電池車は小さな発電所!
水の電気分解の逆の水素と酸素の化学反応を利用して発電した電気で走る燃料電池バスは、外部給電器を使えば静音で家電製品等へ給電することが可能だ。
燃料電池車出動の大まかな流れは次の通りだ。自然災害等による被災地では自治体が東京都に給電支援を要請する。都では総務局から交通局に対して出動の要請をする。交通局では燃料電池車を水素ステーション等の水素供給施設に向かわせ燃料である水素の供給を受ける。その足で被災地に出動し、給電支援を開始するという流れだ。
もっとも、従前から用意している非常用発電機や電源車もあり、これらを総合的に活用しての給電支援なので、燃料電池車の出動はその一環に組み込まれる新たな給電支援ということになろう。
また燃料電池バスは大型バスであるため、支援対象施設へ出向く往復の道路状況や乗り入れることが可能なスペースがあることが条件なのは言うまでもないが、避難所で約4.5日分の電力を供給できる燃料電池バスは災害時の強い味方になることが期待される。