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注文が完了すれば出来上がりのおおよその時間を知らせてくれるので、渋谷でブラブラと通り過ぎる京王バスや東急バス、ちいバスでも見ておけばよい。その後スタッフは出来上がりのデータを持って工房に入る。
ここから先は非公開だが、記者は取材のために特に許可を得て撮影した。同時に3つの注文をこなすために、まずは専用のプリンターでマグカップ用のデータを出力する。なんだか野暮ったい色で50年前の写真のようで不安になる。
これを切ってマグカップに貼りつける。実は出力された専用の特殊フィルムのインクをマグカップに熱転写するのだそうだ。フィルムを貼り付けたマグカップを専用の熱転写装置(アイロンのようなもの)に入れて加熱する。
その間にTシャツのプリントにかかる。これまた大型のプリンターにTシャツをセットしてプリントをする。その後にプレス機にかけてインクを定着させる。続いてプリンターのアタッチメントを交換してバッグにもプリントをしていく。
色がすすけていたマグカップは?
フィルムにプリントされたのを見た段階ではすすけた色だったのだが、よく見ると左右が反転していた。マグカップに転写するので当たり前だが、見たフィルムは裏側からだったのだ。熱転写を終えたマグカップはファンで冷却され、いよいよフィルムがはがされる。出てきたのは見事な光沢を放つバスの写真だった。
こうして出来上がった製品は梱包され、取りに来たお客さんに引き渡される。スタッフによると、やはりマグカップのような光沢のある製品の出来には誰もが圧倒されるそうだ。
趣味目的で画像データを持ち込むお客さんはこだわりを持って作りこんだデータを制作している人が多く、ふらっと寄って作る人はスマホに入っているお気に入りの写真データをその場でプリントして満足して帰っていくようだ。
著作物には注意
自分で撮影した写真データならば問題はないが、例えばお気に入りのレコードジャケットなどの著作物のスキャンデータは権利の関係上、プリントの引き受けはできないそうなので、趣味目的であっても著作物の場合は注意が必要だ。
バスだけではなく、鉄道や航空機、犬や猫、こどもが描いた絵画のデータをTシャツにプリントするのは楽しいし最高の自己満足だ。
時間をかけて作りこんだ版下で作られたアイテムをその場で持ち帰ることができる感動は趣味人であれば是非とも味わっていただきたい。趣味の自己満足は精神衛生上とても良い行為ではないだろうか。
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