千葉街道で小73系統と別れる
千葉街道に出ると、小73系統は左折して柴又街道を目指すが、小76系統は右折して鹿本通りを南に向けて走る。川は見えないものの新中川に沿って走り、しばらくすると首都高速7号小松川線の下を少し東に進路を取り、再び南に向けて瑞江駅の西側に出る。
瑞江駅の前で反対側から走ってくる小73系と出会うことになる。葛西駅発着系統は首都高速をくぐり直進、一之江駅を経て葛西駅に向かう。
鹿骨って鹿と関係がある?
小76系統の経由地である「鹿骨」という地名は「ししぼね」と読み、意外にも歴史が深く奈良時代にまでさかのぼるという。言い伝えによれば漢字が示す通り鹿の骨を埋葬したことに由来する。
鹿島神宮から奈良の春日大社に神獣である鹿を連れていく道中に当地で鹿が死んでしまったために、この地に葬ったのが由来とされる。現在では江戸川区の区民館(出張所)が置かれ地域の中心的な役割を担う。
江戸川区には現代にも残る歴史ある地名が多く、例えば小松川は当時の川から採られた地名だが、現在でもよく食べられる小松菜の由来となった場所だ。小松菜の由来は諸説あるが、いずれにせよ江戸川区の名産品である。
小松菜で作ったお菓子は瑞江駅ロータリーにある和菓子店でも売られていて、お土産品として人気が高い。
入出庫路線でも乗降は多い
いったん瑞江駅に入った後、また元の道に戻り、小72系統や新小71系統の小岩駅・新小岩駅方面と同じルートで江戸川スポーツランドに向かう。江戸川スポーツランドは京成バス江戸川営業所があるので、瑞江駅から先は入出庫便のように見える。
しかし瑞江駅から江戸川スポーツランドの区間でも乗降は多い。歩くには遠く自転車でちょうどよい距離では、病院や買い物の用事で瑞江駅にくる高齢者はこの区間のバスが必要なので瑞江駅からの乗車もある。
距離も時間も3兄弟中2番目
この3兄弟路線のうち小76系統は小岩駅・瑞江駅間に限れば距離は6km弱、時間は30分程度と、小73系統よりも距離も時間も若干長く、小72系統よりも短い。しかしこちらも鉄道空白地帯で区間利用が最も多いので通しでの距離は時間はあまり関係がなく、自宅や目的地に合わせて乗り分ける感じだろうか。
3兄弟のうち2路線を選択して往復乗車すれば約1時間強なので、乗りバスにはちょうど良い時間だ。両端が鉄道駅なのでアクセスしやすく沿線風景も往復で異なる選択が可能なので、同じ行先で逆に走り去る乗りバスを体験してみてはいかがだろうか。なおこの系統には深夜バスの設定はない。
【画像ギャラリー】京成バスの小岩・瑞江3兄弟「小76」鹿骨ってどんなとこ?小松菜は江戸川区発祥?(12枚)画像ギャラリー