旭川→名寄……普通っぽくない!? 普通の路線バスに乗ってみた

■レア車両現る!?

 競合にして長距離という物珍しさから、道北バス名寄線に興味がわいた。旭川駅前を12:00に出発する便を選び、駅前バスターミナルの8番乗り場で待っていると、道北バスの大型路線車が停まった。

 しかし目の前に来たこの車両、見た目からして古そうで、内装もややクラシカルな雰囲気。車種を確認してみると、2001年式の日産ディーゼル+富士重工車体の組み合わせだった。バリアフリー関連が規格化される前のノンステップ車でもある。

当日は2001年式のクラシック車両が入っていた
当日は2001年式のクラシック車両が入っていた

 道北バスが自社発注した車両であるが、元々このバージョンは数台しか製造されず、車齢20年以上の生え抜き感と相まって、かなりレアなクルマが当たったようだ。そういった旧年式の車両が依然、長距離路線で頑張るのだから頼もしい。

■カクカクした経路

 旭川駅前を出発した名寄線は、宗谷本線から1kmほどの距離を保ちながら旭川市街地を進んでいく。都市部とその周辺は、道が碁盤の目状に整備されている場所が多く、メリハリの効いた方向転換と“まっすぐ”な走りを見せる。

 国道40号線がバスのメインルートになり、出発から約50分後の蘭留(らんる)駅のあたりで宗谷本線に近づき、並走する区間が増えていく。都市部を出た先には、標高263mの塩狩峠が含まれる。

 通しで2時間以上かかる路線であるため、トイレ休憩があるのかと気がかりでいると、約1時間20分後に停車する和寒(わっさむ)で4分ほど休憩時間が取られていた。

和寒で名寄行きと旭川行きが並んだ
和寒で名寄行きと旭川行きが並んだ

■雪の中を力強く走る

 道北バス名寄線とJR宗谷本線は、運行時刻がややカブる便もある。旭川駅前12:00発のバスに対しては、旭川12:33発の名寄行き普通列車がバッティングし、塩狩〜和寒の間で後ろから接近してくるH100形に追い抜かれた。

 当日は旭川市街地を出るとスッカリ雪が降り積もっており、遅れが出ないかと心配になったものの、この路線バスは雪に強いと見えて、白銀の世界をものともせずグイグイ進み、名寄駅前に時刻通り到着した。

2時間38分のバス旅を終えて名寄に到着
2時間38分のバス旅を終えて名寄に到着

 足が遅いのは仕方ないにせよ、鉄道が通っている区間をあえて長距離路線バスで行ってみるのも、これはこれで列車と一味違う公共交通機関の旅と向き合えて悪くない。

【画像ギャラリー】たまにはバスという選択肢〜道北バス名寄線〜(8枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。