新進気鋭の東京BRTを実戦投入できるか試すためにバスで月島名物「もんじゃ」を食べに行く……だと!?

新進気鋭の東京BRTを実戦投入できるか試すためにバスで月島名物「もんじゃ」を食べに行く……だと!?

 都心部〜ウォーターフロントを結ぶ新しい交通機関の東京BRT。果たしてこのバス、観光を決め込むにあたりワガママな要望にも応えてくれるだろうか。

文・写真:中山修一
(写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBをご覧ください)

■東京の下町を代表する「粉もの」

知名度が高い東京月島の「もんじゃ」
知名度が高い東京月島の「もんじゃ」

 観光や旅に食は付き物。コンビニグルメで済ませるのも選択肢の一つではあるものの、その場所ならではの逸品を試す機会を得られるなら、とりあえず押さえておきたい。

 東京都区内にも名物はたくさんあり、下町を代表する食べ物の一つといえば「もんじゃ」だ。月島、浅草、柴又etc…同じもんじゃでも、地域ごとに焼き方など微妙な違いがあって楽しい。

 とりわけ「もんじゃ」を観光資源に据えているのが月島。今や月島=もんじゃの図式が頭に浮かぶほどブランド化している。ちなみに月島もんじゃは具材を先に炒め、土手を作ってから生地を投入するタイプだ。

■月島にもんじゃを食べに行く……それもバスで!!

 そんな月島へ、もんじゃを食べに出かける……観光客なら殆どの場合、現地までのアクセス手段を公共交通機関に頼ることになるハズ。

 しかしまず、どこから月島へ向かうかを設定しておかないと話が進まない。今回は豊洲市場観光施設の向かいにある、温泉付きで朝食がおいしいと評判の人気ホテルに宿泊し、そこをスタート地点に置いた。

 ホテル付近には、2020年10月に運行を開始した、豊洲市場へのアクセスを兼ねた「東京BRT」が通っている。できたばかりの新しい交通手段という魅力も手伝い、この東京BRTを使って月島に行けないものか? なる衝動に駆られた。

■観光客のファジーな土地勘

 ホテルからBRTの停留所までは徒歩数分の位置関係。「ミチノテラス豊洲」もしくは「豊洲市場前」のいずれかからバスに乗れば良さそうだ。

まだまだ乗る機会の少ない燃料電池車に好きなだけ乗れるのも東京BRTの魅力
まだまだ乗る機会の少ない燃料電池車に好きなだけ乗れるのも東京BRTの魅力

 当日は特にバスの時刻など確認せず、日が傾き始めた頃合いに何となくホテルを出た。この場合、所要時間や距離云々の効率より、そのバスが目的地へ行くなら目の前にいるやつに乗ってしまう“勢い”が優先される。

 ちょうど良く出発直前だったのは、東京BRTのミチノテラス豊洲が始発の虎ノ門ヒルズ行きだった。車種は燃料電池車のトヨタSORAだ。

 とにかく乗るだけ乗って、あとは出たとこ勝負。最近はどこにいても地図が見られるので便利な世の中になったものだ。

 しかし、地図とバスが進むルートをリアルタイムで照らし合わせていくと、どうやら東京BRTの経路は月島に掠りもしないようだ。

 旅先で「あそこ近いんじゃね?」と思い込んでいた場所が実際のところ全然遠かった!! なんてザラの中のザラだ。やってみて納得、旅の道中にメリハリをつける、おいしいスパイスだと割り切って面白がるしかない。

■東京BRTでの月島最寄はあの場所!?

 東京BRTを使って月島へ行くために、最もアクセスしやすいと判断した降車ポイントは「勝どきBRT」だった。この停留所で下車したら、あとは交差点を左に渡って真っ直ぐ歩くだけ。

 徒歩区間には地下鉄大江戸線や都営バスも通っているが、タイミングによっては歩きのほうが早いかもしれない……この日は歩いた。20分くらいで月島もんじゃストリートの案内表示が見えてきた。

勝どきBRT停留所で客扱い中の虎ノ門行きBRT
勝どきBRT停留所で客扱い中の虎ノ門行きBRT

 バスと合わせてトータルの所要時間40分といったところ。徒歩移動が必須になるものの、BRTを使って月島に行くのも難しくはない、といった結論に落ち着いた。肝心のもんじゃの方は、月島もんじゃストリートのお店に飛び込みで入り、ちゃんと焼くだけ焼いた。

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