■降車なしで金沢ー福井が直行に!
筆者も高速区間は深夜ということもあり、眠りに落ちていたが25時前に福井北ICを通過、そこからは一般道へと入った。降車する人はいないので停車することもなく、まるで福井駅直通のバスのように走行した。予定の到着時刻より10分早い25時3分に福井駅東口に到着した。
ドアが開くとそれぞれ目的地へ向かって降車していき、気がつくとバスの周りは筆者1人だけになっていた。今回はこのバス乗車に合わせて駅前にホテルを予約してあったので、すっかり人の気配がなくなった福井駅のコンコースを歩いて宿泊地へと向かった。
■実証実験からスタート
今回は、かがやき最終便連絡バスで深夜の福井駅行きを体験してみた。ただ冒頭で触れたように、利用者の少なさが要因で5月31日をもってこの実証実験は終了となり、運行も取りやめになった。実証実験を行ってきた福井県による報道発表によると、3月16日から5月13日までの利用者は延べ112人、平均2人であった。
最多乗車数は3月18日と4月20日に6人、利用者が1人もいない日は10日間あった。今回の実証実験終了の理由として「新幹線利用客の利便性向上に一定の効果は見られたものの、実証期間におけるバスの利用状況は低調であることから、交通事業者による自主運行は困難であると判断し、実証運行を終了」ということであった。
新幹線の定員からしても、さすがに1日2人では路線を維持できないので仕方ないところだと思う。ただそれでも今回の運行体系では利用してもらえないことが分かったという結論が得られたことは大きい。
■考えの甘さも露呈
ただし、明らかに福井県民への宣伝不足であり、ただ運行させれば乗ってくれるだろうという考えが甘かったことも露呈した形になった。その間に対策をしたのが車両の小型化だけというのもお粗末だったように感じる。経路や停車地、運賃等の見直しをするべきだった。
よって、実証実験であるため、どれもが好調になるわけではないのは当然としても、今後どういった形なら利用してもらえるのかを試行錯誤して運行すればよかったのではないかと感じた。
ちなみに今回の金沢駅西口から福井駅東口までの運賃は大人3500円、子供2000円だったが、果たして東京滞在時間が伸びたことと3500円という運賃が見合っていたのかという検証も必要だろう。
実際には3500円の運賃負担がそのまま増えるわけではなく、金沢で下車することに伴い乗らない金沢ー福井間の運賃・料金との差額なのだが、イメージとして高い感じを受けたのは間違いないだろう。アンケートの結果も踏まえ、新たなアプローチがあることに期待したい。
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