全国各地にある道の駅は全国に1200を超え、沿線の道路情報はもとより、観光施設としての側面もある。観光地の情報を集め、地元の食材やお土産・特産品がずらっと並び地域おこしの拠点となっているところもある。道の駅なので車でのアクセスがデフォルトだが、路線バスの路線が伸びたのでレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■豊橋駅
豊橋駅はJR東海道線・飯田線、東海道新幹線や名鉄、豊橋鉄道が乗り入れる東三河最大のターミナルである。駅舎は商業施設やホテルが入り、まさに玄関口である。駅前はペデストリアンデッキが広がり、その下にバスターミナルと豊橋鉄道市内線の路面電車が乗り入れる。
東海地方でも現在はここだけの路面電車が走る街である。車やバスが行き交う真ん中を走る路面電車はこれこそ豊橋の風景だ。筆者はバスに乗車するため地上階へと降りた。デッキの下にあたるため日中でもやや暗い場所となっているが、正面にバス乗り場の案内表示があり確認できる。乗車するのは2番乗り場のようで、振り返るとすでにバスが停車していた。整理券を取り座るとバスは動き出した。
ターミナルの中を転回し、駅前の大通りに出ると路面電車と並走する軌道が見えてくる。しばらく走ると国道259号線に入り、東海道新幹線の高架が見えてくると住宅地へ、やや細い道路を縫うように走行する。乗客は地元の人が多いようで、観光客は筆者くらいのようだ。
やや広い通りに出ると小松原街道と呼ばれる県道を南下する。周辺は飲食店が並ぶエリアのようで、南行きは混雑しているようだった。しばらく走ると今度は緑広がる風景に変わる。ここまで来るとようやく走行も軽やかになってきた。
目指すバス停まではあと少しだ。交差点を右折し、広いキャンパスの中へ入っていくと目的地に到着した。ここは「技科大前」バス停である。数人が降りつとバスは出発していった。
■技科大前で下車
この「技科大前」というのは豊橋市内にある豊橋技術科学大学のことを指す。1976年に創立した国立大学で工学系の大学である。広大なキャンパスに約1200人ほどの学生が通っており、日夜さまざまな研究が行われている。調べるとほとんどは車での通勤のようだが、キャンパス入口のロータリーにバス停が設置されている。
見ると「愛のりくんのりば」というバス停があり、これは乗合タクシーのようで事前に利用者登録が必要のようだ。よって気軽に使うにはこの豊鉄バスのみである。筆者はここから徒歩で道の駅を目指す。見送ったバスの先には綺麗な桜の花が咲き誇っており、春の季節を感じることができた。
■道の駅とよはし
ここから徒歩で10分弱、到着したのが「道の駅とよはし」である。歩道沿いには「2021年「日経TRENDY」道の駅とよはし 中部エリアランキング2位」と大きく書かれていた。この道の駅とよはしは「ひととまちをつなぐ、豊橋の縁側」というキャッチコピーで地元のこだわりの食材を使った飲食店や特産品を扱うショップが入居する「Tomate(トマッテ)」と、旬の農産物を取り揃える「あぐりパーク食彩村」を中心にした施設で豊橋市初の道の駅として2019年にオープンした。目の前には国道23号線が走りアクセスもいい。
歩いてきた県道を挟んで東西に敷地が分かれており、Tomateとあぐりパーク食彩村は西側ゾーンに位置する。東側ゾーンには豊橋市が防災備蓄倉庫を、国土交通省が駐車場と情報提供施設を整備した。東西両ゾーンともトイレや授乳室があり、24時間利用できる。オープン当初から人気となり、週末には満車となる盛況ぶりだ。訪れたのが日曜日だったこともあり、ぐるぐると駐車場の空きを探す車が見られた。
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