結局は国民の所得向上がカギか?
免許制度のことは行政の問題だとしても、その他の経済的な理由は悪循環の中で回っていることなので、まずは国民の所得を上げ事業者が運賃の値上げをしても利用者が許容できる環境を整えることだろう。
池田内閣時代の所得倍増論ではないが、今の所得が倍になれば全体の物価が上がるインフレは進むものの、バスの運賃が10円や20円上がっても文句は言わないだろう。
環境問題が叫ばれる中で、これを達成しようとすると走れる古いバスも一律に使えなくなるので新車導入を余儀なくされるが、これも運賃の値上げができれば事業者の収支が改善することにより、できない相談ではなくなる。
環境規制ばかりが先行してもメーカーはそれに合わせたバスを開発するが、そのバスを導入するのに事業者は多額の費用が掛かるので、運賃に転嫁せざるを得なくなるのは当然だ。結局は元に戻って国民の所得向上なしには運賃の値上げは受け入れられず、運転手の待遇も二の次になってしまうということだろうか。
医療従事者や介護従事者の賃金向上が政治課題になっているが、それに加えて国民の大切な足や物流を担う運転手の賃金向上も国民共通の課題として議論してもいい時代に入っているのかもしれない。
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