■回送で営業所に戻る!
六本木ヒルズまでは全停留所に停車してドア扱いをしたが、夕方のラッシュ時間前で渋滞が始まる時間帯にかかるということで、営業所まで直行で回送することになった。
途中経路上には東京タワーが正面に見えたり、急な下り坂で排気ブレーキやエンジンブレーキを使用しないといけない場所を通ったりと、さまざまな道路状況を体験しながら営業所に戻った。
■最後は給油!
営業運転が終わると通常は給油をして駐車する。同様に記者もピット手前で停車して実軽に軽油の給油をして空車教習は終了した。一通り朝からの流れを思い返してみると盛りだくさん過ぎて、正直言ってすべてを完全に思い出せない。
それでも、いちいちすべてが運転士として重要なことを教えられたという実感はある。確かにバイトであろうが、パートであろうが、正社員であろうが、乗客からしてみれば「運転士」でしかない。
「バイトなのですんまへ~ん」では済まないのだ。どの事業者でもこのスタンスは変わらないはずだ。それはむしろ当たり前と言える。この日やったことを1か月半続けるのだから、覚えてないことも自然に覚えることだろう。しかし、ここまで多彩な勤務形態で運転士ができる事業者はあまり聞いたことがない。
■教官と乗客目線での総評は?
空車教習を終了して会議室で、まずは教官からの総評を聞く。アクセルワークや指示された確認方法、ブレーキや走行位置について、運転士としてはまだまだですが、1日目でやったこととしてはまずまずではないかということ。
バスの運転は、訓練による上達も上手い下手も人それぞれだし、レベルにより訓練内容も異なる。しかし、最も大切なのは持っている運転の「センス」らしい。そのセンスについては記者の場合は「問題ない」という判定をいただいた。
続いて、採用試験でも乗車して審査する広報担当者からは「本当に各人それぞれなのですが、人によっては最前列左側の席(記者注:いわゆるヲタ席)に座っているとブレーキやハンドル操作で酔ってしまうことが実際にあります。
古川さんの場合はそういうことはありませんでした。また採用試験で乗っていると、左側に構造物や植え込みの木が当たるのではないかとひやひやすることもあるのですが、それも問題なく安心して乗っていました」とのことだった。
ちなみに実際に運転士に応募する場合に何を見ているのかを聞いてみると、「運転経歴で違反した「違反内容」は見ますね。累積点数やゴールドかどうかよりも、違反内容が信号無視だらけだったらまずいと思いませんか?」ごもっともだ。
続いて井上教官から、「普通AT限定からでも大型一種からでも全然かまわないのですが、特に大型一種でトラックドライバーだった方は、荷物と人の違いを知っていただくようにしています。
大型一種でゴールド免許であっても、それは荷物を運ぶための運転で無事故無違反だったわけでして、実際に運転してみれば客席は荷物置き場じゃない!と思ってしまう運転が抜けないと困りますよね。事故らなければそれでいいというわけにはいかないですからね」という指摘もあった。
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