■バイトを雇いにくい理由とは?
日ごろの訓練やこのような合同での教育を経て運転士になるわけだが、運転士が足らないのであれば免許を持っている人はいるのだからバイトでも積極的に採用すればよいと安易に考えていた。
しかし運賃を収受して旅客を輸送するのに正社員もバイトもない。正社員とまったく同じカリキュラムで一切の差別がない教育を行っている。これは換言すれば一人の運転士を育成するのに正社員と同じコストと手間がかかっているということだ。
そのコストは膨大なもので、記者の時給はもちろんだが、訓練に使うバスは軽油を食うし、教官の人件費もかかる。その間は会社として1円の収入もない。新人教育とはどの業界でもそうなのだが、正社員であれば今後毎日バスを動かしてくれる運転士なので先行投資とみることもできる。
しかしいつ、どのような頻度でバスを動かしてくれるのかわからないバイトでは、かかる費用と時間を天秤にかけるのは企業としては当然だ。よって、猫の手も借りたいくらいのバス運転士不足の中であってもバイトを積極的に雇いにくい状況であることは察しがついた。
その点において、フジエクスプレスはその天秤について運転士に重きを置いたと言えるだろう。実際の営業乗務をしたわけではないし、記事執筆時点ではまだ空車教習中だが訓練だけでも以上のようなことが言えるということだけは確信した。さらに詳しいレポートは6月末に発売のバスマガジン本誌で詳報する。
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