■まだ首都圏にいられるワケ
首都圏には2000年代中頃に実施されたディーゼル車の排ガス規制があり、規制前に製造されたバス車両はそのままでは走行できないため、結果として首都圏に旧いバスがほとんど残っていない構図が生まれた。
そんな厳しい制約の下、1996年にデビューした「旧いバス」の枠組みに足を踏み入れる、西工96MC車体のバスがまだ首都圏にいられる理由……それは車両が製造されたタイミングがカギを握っている。
デビュー年そのものは1990年代であるが、日産ディーゼルのシャーシ+96MC車体のバス車両は、日産がバスシャーシの生産を取りやめ、その影響によって西工が解散へと至った2010年まで作られていた。
同じ日産+西工96MC車体でも、後年に生産されたモデルであれば、タイミング的に排ガス規制実施後にあたり対策が取られているため、不可抗力による引退を余儀なくされることなく、そのまま現役を続行できているわけだ。
■さよならへのカウントダウン?
最新の路線バス車両に混ざって、今も首都圏の各所で活躍を続けている96MC車体の路線車。とはいえ、大手のバス事業者は新車導入から20年経たないくらいのサイクルで車両を入れ替えるところが多い。
96MC車体の車両は最も若いものでも車齢15年を経ており、大手バス事業者の車両更新スパンを踏まえると、既に首都圏から順次姿を消していく段階に達したと考えられる。
自動車メーカー+コーチビルダーが手を取り合い伝統的な作り方をした、最後の路線バス車両である日産+96MC車体の姿を首都圏で見られるチャンスも残りあと僅か!?
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