旅行者に日本一厳しい観光地だと!? 行きはよいよいで帰り道にとっても怖い目に遭った話

■おいウソだろ!?

 三厩駅には時刻通りに着いた。外ヶ浜町営バスの停まった向かい側の待機レーンに、今別町巡回バスの銀色のハイエースコミューターが時間調整していた。

外ヶ浜町営バスと今別町営バスが三厩駅間で向かい合う
外ヶ浜町営バスと今別町営バスが三厩駅間で向かい合う

 三厩駅は今別町巡回バスの始発停留所になる。乗合バスの始発停留所での一般的なルーチンといえば……

(1)待機レーンを出る
(2)バス停の前に移動
(3)ドアを開ける

このハイエースに乗れば奥津軽いまべつ駅まで一本…だけど!?
このハイエースに乗れば奥津軽いまべつ駅まで一本…だけど!?

……の要領になるはず。そう思って、待機レーンから15mほど離れたバス停の前で待っていた。もうすぐ時間だな、と思ってすぐに車が動き出した。すると

(1)待機レーンを出る
(2)直進
(3)左折して駅前広場を退出

 あれ? ドアも開けずに行っちまったけど? 三厩駅前はグルリと一周して戻ってこられるような道の作りをしていて、回ってくるのか? と思ったものの、バスは見事に駅前通りの県道230号線を真っ直ぐ突っ走っていった。

このバスにお客は絶対乗せません(?)
このバスにお客は絶対乗せません(?)

 おいウソだろ!? 「こんな所から客は乗らない」と思い込んでしまっているバスの運転手さんにスルーされかけたのは、過去に長野県と北海道であったけれど、手を上げる隙も与えずに「あばよマヌケめ〜wwww」されたのは前代未聞だぞこれ!!

■困った時には時刻表をよーく見よ

・配車を断られる
・雨降り
・しょっぱい対応
・しまいにゃ置き去り

 どんだけネガティブコンボ決めてくれば気が済むのよこのエリアは、怖い、怖すぎる、カネ払って来る意味あったのかこれ!? なんてパニックを起こしているうちに、時間がどんどん過ぎていってしまう。

 三厩→奥津軽いまべつ駅までの距離は約9km。1時間しか猶予がなく、徒歩では絶対新幹線に間に合わない。参ったな、新幹線特急券代の損失が出るし、これから会う人にも多大な迷惑をかけてしまう。

バス停の時刻表に掴むべき藁が隠れている!?
バス停の時刻表に掴むべき藁が隠れている!?

 どうすれば今立ちはだかる問題を最小限に抑えられるか。こういうときは時刻表をよく見るのが対処への第一歩。

 やっぱり書いてあった、今別町巡回バスの運営者の電話番号が。巡回バスは今別町の役場が管理しているとある。さっそく電凸だ!

■終わり良ければなんとやら?

 役場に電話をかけて、今しがた貴町の町営バスに地球行きのスリーナイン号された旨を説明。停留所の前で待っていると、すぐ来てくれた。

 その後のフォローアップは完璧たるもので、ほぼリムジンサービスのような対応をしていただいた。筋さえ通してくれれば文句なんて帳消しになるばかりか、あまりの手厚さにこちらが恐縮してしまうほど。

 結局のところ、やむを得ない状況下での送迎という形が取られたため直行となり、乗ろうとしていたバスよりも先に奥津軽いまべつ駅に到着。

最高のフォローアップで奥津軽いまべつに戻る
最高のフォローアップで奥津軽いまべつに戻る

 ついでに運賃200円分浮いたので、奥津軽いまべつ駅の隣にある道の駅で買い物した。

 車中で役場の方から現地周辺の興味深いお話が聞けて、短いながらも気分の良い時間を過ごせ、最後の最後に盛り返しができたということで、前日から引っ張っていたモヤモヤも大体解消。

 これから公共交通のサービス面が洗練されるかどうかに期待するところであるが、竜飛岬は素敵な所だったなと好印象を抱きつつ、今度また来てみようという気持ちはお陰様で特に失われずに済んだ。

予定通り「はやぶさ16号」に間に合った
予定通り「はやぶさ16号」に間に合った

 終わり良ければなんとやら、そんなフレーズがぴったりハマる月曜日の出来事であった。

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