■東武の割引乗車券
次に東武を検討してみる。「小江戸川越クーポン」という割引乗車券は、東武東上線各駅から川越ー本川越間のフリー区間までの往復乗車券と、小江戸名所めぐりバス全線、東武路線バス(川越~神明町車庫・小久保各停留所間)は乗り降り自由な1日乗車券が付いている。池袋からの発売額は1110円。
元々東武バスのテリトリーである川越市内で区間が指定されているとはいえ、東武バスと観光路線バスに乗り放題というのは大きい。時刻表不要で行先にもよるが、来たバスに乗ればよいからだ。ということで、二次交通の利便性を考慮すると東武に軍配が上がったので、池袋に向かった。
有料特急はないが、無料で「川越特急」という種別の特急列車が走っている。記者が乗車した10時発の便は、池袋に有料のTJライナーで池袋に上ってきて、クロスシートのまま折り返し川越特急になる。途中停車駅は朝霞台の1駅だけで、次が川越駅に停車する。
電車の終点は小川町なのでそのまま乗客を乗せて発車する。急行で30分強の所要時間を26分で走破する。この区間の評定速度は71km/hに達するので、有料特急と肩を並べる俊足だ。
■川越八幡宮
川越特急を下車して最初に向かったのは、川越駅から徒歩圏内でバスに乗るほどでもない川越八幡宮だ。徒歩5分程度で着く。短い参道は季節の花々が咲き乱れ、写真撮影をする姿が目立つ。
主祭神は八幡宮なので応神天皇だ。宇佐八幡宮から勧請されたと伝わる。御朱印は当宮の他に境内社の川越三峰神社と民部稲荷神社、さらに兼務社の仙波東照宮が授与される。
記者は時間の都合上、仙波東照宮には参拝していないので八幡宮と三峰神社、稲荷神社の御朱印を拝受して川越駅に徒歩で戻った。三峰神社の御朱印の意匠はかなり荘厳で個人的には気に入っている。
■川越熊野神社
川越駅からは東武バスに乗車して本川越駅を通って観光地のメインロードに入る。前述したとおり、歩行者と対向車を縫うように日野ブルーリボンが走る。蓮馨寺バス停で下車して道路を渡ると川越熊野神社がある。
小さな境内だが参拝者は多く、レンタル着物で着飾った外国人の姿が目立つ。和服を着て日本的な場所で写真を撮ろうとなると神社は確かに最適な場所であることは間違いない。
熊野神社なので主祭神は熊野四神で、境内で目立つのは神使である八咫烏だろうか。日本サッカー協会のマークに使用されている三本足のカラスといえばお分かりだろうか。熊野神社の御朱印は一部を除きその場で書き入れてくれるタイプで、そのため時間がかかるが書き手が複数いるので待ち時間が数十分ということはない。
熊野神社の他に境内社の厳島神社と秋葉神社も授与される。拝殿が小ぶりなので参拝にも授与所にも御朱印受付にも列ができることがあるが、心を落ち着けて待とう。熊野神社を後にして再び東武バスに乗車する。
■川越氷川神社
乗車した東武バスは氷川神社の前に止まってくれる便利な路線「越06」系統で、熊野神社からは1つ前の中原町バス停か1つ先の下松江町バス停まで行って乗なければならない。
すでに満員で見たところほとんどが観光客のようだ。どこで降りるのかとみていると、ほぼ全員が川越氷川神社で下車した。つまりそれだけ参拝者が多いということだ。
川越氷川神社の主祭神は5柱の神様で、解釈により諸説あるが、スサノオノと奥さんのクシナダヒメ、その両親であるアシナヅチとテナヅチ、そしてスサノオの6代後の子孫で後にオオクニヌシと名乗るオオムナチである。5柱は全体として家族や夫婦であることから縁結びや家庭円満の御神徳があるといわれる。
拝殿での参拝には行列ができていて神職や巫女が交通整理をしていた。おみくじや授与品も人気で、御朱印は現在は書置きのものが授与される。授与のたびに巫女が巫女鈴で祓いをしてくれるので、それなりに時間がかかるがお守りや神札を見ながら並ぼう。
帰りは川越氷川神社バス停から川越駅まで1本で戻れるので、他に行くべきところがなければ東武東上線で戻ればよい。割引乗車券は池袋で購入したので、地下鉄直通電車に乗車して都心まで入っていくと最終的に不足運賃を精算しなければならない。
コメント
コメントの使い方