中国大手のBYDが日本において(ビーワイディージャパン)は、国内向けに新型バス2種の予約受付をスタートさせた。どちらも電気自動車であり、小型バス「J6」と大型バス「K8」は搭載するバッテリーを拡大。航続可能距離を延長するなど、さらなるシェア拡大を目指す模様。果たして国内における次世代バスはどうなるのか!?
文:三条桐葭
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
新型バッテリーで航続距離が長く!
これら2種の新型電気バスには、BYDの新型バッテリー「ブレードバッテリー」を搭載することにより高い安全性を確保しながら、航続距離を「J6」で約 220km、 「K8」で約270kmまで伸ばすことが可能になった。
7m小型車のJ6は車両サイズは変わらないが、リチウムイオンバッテリーの容量が105.6kWhから125.7kWhにパワーアップすることにより航続距離が200kmから220kmに伸びた。乗車定員は最大31名から最大36名に増える。
10.5m車のK8も車両サイズは変わらない。バッテリーが287kWhから314kWhになることにより航続距離は250kmから270kmに伸びる。こちらの乗車定員は最大81名で変わりない。
国内電気バスのシェアは7割
同社の電気バスは日本国内でのシャアは約7割に達する。日本ではハイブリッド車はすでに販売されている。一方で電気バスの一歩先を行く燃料電池車がトヨタ・J-BUSにより発売され、こちらがポストディーゼル車かと思われたのだが、いかんせん値段が高く民間の事業者ではディーゼル車の置き換えとしては手が出せない状況であることも事実。
先進すぎる燃料電池車と従来のディーゼル車の間に、価格的に折り合いがつきやすく導入が容易な電気車が徐々に普及しつつある。燃料電池車は水素ステーションの建設が必要な反面、電気車は充電設備を設置するだけなのでハードルは低い。
海外ではパンタグラフ付きのバスも!
中国では政府主導で充電インフラがかなり整備されており、バスが駐車する場所にはたいてい急速充電施設がある。よって大型貸切バスでも電気車という例は多い。日本では営業所で充電し路線バスとして街中を走るスタイルが当面の姿だろう。
欧州では電気車が多く集まるターミナルや空港にはバス専用の架線があり、小型のパンタグラフを上げて停車中に充電するスタイルもあり、まるでJRの蓄電池駆動車のような運用をしている。
日本では電気バスはまだ過渡期のために、今後の普及によりスタイルが確立していくことになるのだろう。
【画像ギャラリー】BYDジャパンが新型電気バスの販売を決定!7m小型車と10.5m大型車のバッテリーが新型に(4枚)画像ギャラリー