スタジオジブリの代表作「となりのトトロ」に登場するネコバス。フカフカのシートに超がつくほどのスピードが出るとあって、一度乗ってみたい!! と思ったことがことがある人も多いバス。でもネコバスは有識者にはどう映っているのだろうか。あえて超真面目にバスマニアがネコバスについて徹底批評する。一体どんな意見が出てくるのか?
文:バスマガジン編集部
ネコなのかバスなのか?
1988年にロードショー公開されたジブリ作品、[となりのトトロ]。毎年のように夏になると日本テレビで放送される、“夏休み映画”だ。そもそもタイトルになっているトトロという存在も不可思議で、アニメの世界ではさらっと許される、ステキな特異キャラのひとりだ。
トトロには小型の種類のものも登場し、ほかにもススワタリなどファンタジーなキャラクターが活躍しているが、その中で特に強烈な個性を放っているのがネコバスだ。バスマガジン的には、彼(彼女)が“バス”と名乗っている以上、見逃すわけにはいかない。 そもそもネコなのかバスなのか、という観点で考えるとネコっぽいバス、というよりバスっぽいネコという印象だか、いかがだろうか。
そもそも10本足(諸説あり)のネコという段階でネコか?という話だが、この作品の世界観ではアリということでないと、ほかの特異キャラが全否定となってしまうので、スルーせざるを得ない。ここはやはり「バスっぽいネコ」と理解したい。
バスとすれば?
どこがバスっぽいかというと、まずは草壁サツキとメイの姉妹が雨の中、父・草壁タツオを迎えに来るのが、主人公一家の最寄りであると思われる[稲荷前]バス停。ここに停車し、ドアが開き(というか広がり)、トトロを乗せて発車する。これは完全にバスだ。
なお、車内はコの字方のロングシート、頭の部分があるのでボンネットバス形状の印象で、ドアは劇中で開いたのは前方1枚のみのため、1扉車と思われるが、折戸でもスライドでもなく、ましてやスイング式でもない、ビローンと伸び広がって開閉するタイプ。まるで生き物のような仕組みだ。