熱海市の沖合に浮かぶ「初島」と熱海温泉を1泊でゆったり美味しく巡る旅取材を、同地の観光事業に力を入れる富士急行の協力を得て行ったのだが、楽しいバス旅提案の記事にするつもりだった。
ところが記者のとんでも勘違いから最重要取材対象を見事に外してしまうことに。
とはいえ、初島の美しい風景と美味しい料理、そして熱海温泉のびっくりバイキング料理も画像ギャラリーでたっぷりお伝えするので、十分にお出かけの参考にしていただける取材旅行顛末記だ。一体、記者は何を勘違いしたのか?
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
取材協力:富士急行
出発は熱海駅から
バスマガジンの記者なのでバスにかかわる取材をして記事にするのが仕事なわけだが、富士急行が「初島」で「PINGU(ピングー)」とのコラボイベントを2022年2月23日まで実施するということで、多くの報道関係者が熱海駅に集合した。
旅行で熱海を訪れる際はたいてい鉄道を利用するので、熱海駅から出発するというのは理にかなっている。
通常は初島に渡るフェリーは熱海港から出港し、そこまでの交通機関は路線バスである。熱海駅のバスターミナルから東海バスと伊豆箱根バスが出ている。ダイヤを確認して時間があれば、熱海駅前の足湯にでも浸かって一息入れてバスに乗ればよい。
多くの報道関係者が取材で来たので、富士急行では取材用の貸切バスを用意して熱海港との連絡を図った。富士急行なので当然だが、やってきたバスは富士急シティバス(沼津市)の日野セレガ。
15分程度の道のりだが、熱海港に到着した。ここではコラボイベントとしてピングーが港に登場して、フェリー乗船客や報道関係者に愛嬌を振りまいていた。
そもそも記者が初島の取材をしようとしたのは初島港の写真を見たからだ。港にバス停ポールがポツンと立っていて、なんともいい雰囲気だったので見ておく価値があると判断したからだ。
しかし初島にバスなんて走っていただろうか。そのような疑問がなかったというとウソになるが、バス停があることは間違いないのだから、もしかしたらコミュニティバスでも走っているのかもしれないという淡い期待を抱きながら取材を決行したのである。