世情が不安定だと何かにすがりたくなるのは古今東西変わらないようだ。みんな大好きパワースポット巡りは、お守りや御朱印集めからスタートするのもいいだろう。パワーを必要とする皆様のために、路線バスで行くパワースポットをバスマガジンWEBのオリジナル連載で紹介する。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■自分のパワースポットを探す!
雑誌やSNS界隈で有名だからと言ってそれが万人にパワースポットかどうかはわからない。自分のパワースポットは自分で探すしかない。果てしない旅のようだが、きっと「感じる」ものがあるはずだ。それが見つかれば同じ神様を主祭神とする最寄りの神社や、同じ仏様を本尊とする寺院を訪ねるのもいい方法といえる。
大都市であれば鉄道駅や地下鉄駅から徒歩で行けるスポットも多いが、もし路線バスの停留所が近ければ徒歩が少ないという意味で紹介する。またどんな理由で取り上げたのかも記者の感想や体験として本文中で触れる。バスマガジンWEBオリジナル「【バスに乗ってパワースポットへ】あなたのパワースポットを見つけよう!」にご期待いただきたい。
■善光寺は市街地にある!
今回は「パワスポ」連載記事初の寺院である。長野市の善光寺にお参りしたのでレポートする。もはや長野市というよりも、長野県の代表的な観光地といっても過言ではないスポットだ。場所は長野市の市街地にあり、駅からバスで10分ほどで到着できる近さも魅力的である。
最寄りは「善光寺大門」バス停である。停留所から本堂までは徒歩で5分ほどだ。ちなみに「善光寺」という名称のバス停はないので、山門から入山するのであれば当停留所が最も便利である。降車すると一直線で善光寺を見通すことができるが、途中に仁王門や山門が控えているため、本堂までたどり着くのは少し先の話だ。
■牛にひかれて善光寺参り……とは?
参道を歩くと仁王門、山門をくぐり、本堂のある境内へと入っていく。周辺には多くの土産物店が並び、朝から多くの観光客で賑わっている。
善光寺は、一光三尊阿弥陀如来(いっこうさんぞんあみだにょらい)を御本尊として、創建以来約1400年の歴史をもつ。無宗派の単立仏教寺院という珍しい寺院だ。よって宗派や宗門の区別なく、誰でも受け入れる庶民の寺として、昔から参拝者が訪れている。
「牛に引かれて善光寺参り」ということわざはあまりにも有名だが、信仰のまったくない人でも牛に導かれて善光寺参りをしてしてしまい、後に深く信仰することになる故事から、図らずして良い方向に導かれることの例えとして知られる。山門手前の休憩所には牛の銅像が鎮座しており、故事の詳細が書かれている。
■お戒壇巡りで極楽往生ってマジ?
また近年では山々に囲まれたロケーションや、お戒壇巡りや7年に1回の御開帳などでご利益を得られるといわれるものが多く、パワースポットとしても注目されている。本堂は1707年に建立された。本堂を俯瞰して見ると鐘を叩く道具である撞木(しゅもく)の形をしていることから、撞木造りと呼ばれる。
内部は広い空間が設けられた珍しい造りになっていて、「本堂内陣」のさらに内側「内々陣」奥の瑠璃壇に御本尊がまつられている。本堂は国宝に指定されており一度は見ておきたい。
御本尊は絶対秘仏なので見ることはできないが(御開帳時は御本尊の身代わりである前立本尊が公開される)、真っ暗な瑠璃壇の地下回廊を巡り、御本尊の真下にある鍵(錠前)に触れることができれば結縁となり極楽往生が約束されるといわれる。
ちなみに善光寺は「信州善光寺」とも呼ばれることがあるが、全国各地に善光寺があるからで、山門の内側に「全国善光寺会」と書かれたパネルが掲示されている。会員として登録している寺院が列挙されているので、居住地域の「善光寺」を探してみるのも面白い。
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