■1kmあたり3.6円!?
大漁くんバスには1時間ほどの乗車。中乗り・前降りの運賃後払い方式、交通系ICカード可であるのは函館バスの基本乗車方法と同じであるが、目を見張るのがその運賃。どこまで乗って行っても100円均一なのだ。
福山〜原口漁港前が全区間になり、これをフルに利用した場合の距離は28kmくらいで、割ると1kmあたりの運賃が何と3.6円にまで下がるという日本屈指の脅威的な安さ!!
乗っている最中に至るまで、運賃表示器に「100」と書いてあるにも関わらず、これホントに100円でいいの!? と懐疑的になりまくるほど。
これぞコミュニティバスのなせる技か。全区間が同じ松前町の中に収まっているのも、この低運賃を実現できる条件の一つらしい。
■1分は接続にあらず?
大漁くんバスの終点、原口漁港前まで乗っていくと、そこから江差行きの函館バス「621系統」が出ている。621系統もまた1日3本と極細のため、ここでも狭き門を押し通ってでもくぐり抜ける心構えが大切。
ところが、利用した大漁くんバスの終点到着時刻と、江差行き621系統の乗り換え猶予が1分しかなく、遅れが出たら即オダブツなギリギリさが何かと不安にさせてくる。
不安解消策として、2つ手前の「交流館前」で下車する作戦を考えた。同停留所は621系統の通り道でもあり、ここで大漁くんバスを降りれば猶予を1分→5分に増やせる。
次にやってきた621系統も大型路線車での運行だった。これに乗ればあとは楽々、江差ターミナルまで直通してくれる。
大漁くんバスでもそうだったが、終始ほぼ海岸線沿いを走るということで景色は申し分なく、さらに海抜100m程度の高台区間も含まれているとあって、オーシャンビューの中でも、より一層立体的・ワイドな景観が楽しめる。
距離はおよそ36km、1時間2分ほどの移動だ。621系統は通常の路線バスなので、運賃は函館バス正規の1,500円だ。
■絶景しかないローカル路線バスな1日
木古内駅前を11:10に出発して、松前経由で海岸線を北上して江差に着いたのが15:40。本数の少なさには常に集中しておく必要こそあれど、4時間半で目的地まで移動できた。
江差ターミナルは江差市街地から少し離れており、市街地へは別の系統に乗り換えて向かうのが便利。また、JR江差線の代替バスで木古内に戻って、木古内拠点の函館バスぐるっと日帰り1周旅、なんて遊び方もできる。
何よりこのルート、端から端まで景色が凄くキレイなところを走る路線に“しか”乗らないと言えるほどで、天気の良い日を狙えば最高の贅沢、文句なしのローカル路線バス旅を満喫できること間違いナシだ。
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