■高速バス・貸切バスは新時代へ
●高速バス標準カラー:日野 QTG-RU1ASCA ■松本200か1092 16040 松本営業所
路線車とは違って、高速バス・貸切バスはその時の最新車が常に導入されているのだ。
観光ボディは夜行・昼行以外の差がほぼないほど標準化されているため、見た目に個性的な車両は生じにくいのは他事業者と同様である。
しかし、これまでと違うのは車内設備。松本本社にはSクラスシート、長野支社にはプライムシートというアッパークラスの昼行車が導入され、代表路線である新宿へ向かう便に充当されている。高速バスのイメージを向上させ、新規獲得だけでなくリピーターを増やす努力の一端である。
また、松本には独立3列シート車が増備され、長野では昼行便に充当される独立3列シート車も存在。諏訪支社には15年の大阪線夜行便運行開始のために、4列ではあるが後方乗務員仮眠室を装備した夜行対応ガーラが導入されたことが大きな変化である。
アッパークラスのシートやその配列だけではなく、パウダールーム付きトイレを装備する車両が存在する。バスのトイレは狭い、という常識を覆した快適な設備は新たなバスの可能性を探る。
コンセント付き、プラズマクラスター付きエアコン(注:プラズマクラスターはシャープ株式会社の商標)、大型シート、大型フットレストなど、仕様は多岐に渡る。
貸切バスは80台で、統合後の新社番車だけで44台が存在する。新社番はすべてセレガのハイデッカー車で、座席は11列である。14年式からは前面LED式行先表示器と降車ボタンを装備した高速バス増車対応仕様になっている。この仕様の車両はすでに33台が導入されており、まだ増える見込み。
アルピコ交通所属車両は6年前から約100台減ったものの、路線車の仕様はまだまだ多岐に渡り、1台しかいない型式の車両も複数ある。中古導入された車両が多く、見ていて飽きない。
高速・貸切車は安全装備の充実している現行車種が堅調に増備され、サービス向上につながっているほか、法規制にもしっかり対応。今後のアルピコ交通所属車両から目が離せない。
山紫水明の地、信州で爽やかなカラーリングに彩られた多種多様なバスを運行するバス事業者:アルピコ交通【前編】
【画像ギャラリー】ハイブリッドバス黎明期から実証実験にも協力し、積極的にハイブリッドバスを導入し続けてきた松本電鉄。アルピコ交通になってからも導入が続いている。改めてその歴史を振り返る【車種ラインナップ 日野車・ふそう車 ほか編】(75枚)画像ギャラリー